読 書の部屋

Reading


読後感

「 52歳、駆け抜けたアフリカ」戸井十月 新潮社 

 

2001.12.20 C0095 ¥1600(105)E p.249


(2006.3.11掲載)


 実に、良い本だと思う。

アフリカを知る上で私にとっては、これまで読んだ本の中で最良といって良いだろう。

52歳の著者は、バイクでアフリカを100日間にわたって走る抜ける。

 ジブラルタル海峡をフェリーで渡って、アフリカ縦断の旅は、アシラから始まり、ケープポイントで終わる2万�q。日記体で綴られたIからVIの本文に、旅 のエッセンスを抽出した6編のエッセイを配した構成。2001年2月末に始まり、同年6月5日で終わる日記部分に、著者とクルー5人(NHKで放映される ので、ビデオ隊も同行、650ccバイク、ポンコツ・サポート・カー兼撮影車2台)のその日の行動の子細(天候、走行距離、誰と会い、何を見、どこに泊ま り、何を食べ、飲み、どんな目に遭ったか、健康状態、クルーのこと、悪路での転倒・怪我、空撮の様子、車の修理メンテナンス……)黒いアフリカ人、白いア フリカ人、アフリカ風俗・風習・風物、野生動物、景観、感想、感慨、思索、亡くなった父親のこと、家族のこと、ペットのこと、などなど、ぎっしり詰め込ま れていて、読み応えがある。

 アフリカという大大陸の複雑きわまりない輪郭が、日記の行間に浮かび上がってくる。これほどの過酷な旅に出かける著者の冒険心、たくましい知的好奇心、 率直で飾らない人間味・人間性が、伝わって来て、読後感は爽やかである。

 この旅が、著者による<五大陸走破行>の、アメリカ、オーストラリアに継ぐ第三弾らしい。他のシリーズものも読みたくなった。

 (2006.3.11記)






 

トップへ

ホーム
読書の部屋へ