<花> |
卒業の姪四年ぶり花の庭 沙羅の花ただ一輪の庭涼し 見上げればいま満開の藤の花 雨の庭ノウゼンカズラ灯と灯る 初咲きにして凌霄(のうぜん)花庭を統ぶ ○馬酔木咲く己が若葉の華の陰 さるすべり枝振りのまま雪の花 ○夏はまたわが庭先に火のごとくノウゼンカズラの燃えさかる季(トキ) サルスベリ枯れにし枝は白々と花咲き満ちしおもかげもなく |
<庭木> |
狭き庭木の芽の赤き目の前に 木の芽吹く庭の賑わい目が笑う 庭木少々小緑陰に静居あり 仙菱と万両競う軒端かな 剣のごと若葉光らせ雨止まず 良き朝と言うべし樹下に露光る ところ得て庭木それぞれの初夏の朝 いずこよりタンゴの調べピラカンサ ピラカンサいよいよ赤くひよ叫ぶ 枝すきし庭透き透きと秋の雲 一面にイチョウ落ち葉や庭明かし 色づきし銀杏の炎(ほむら)街焦がす 夕なずむ庭で落ち葉の独り言 ○枕辺に終夜優しき雨音の庭木慈しむごとく響けり 眠られぬ夜に降り続く五月雨の終夜変わらぬ音のやさしさ ○ことさらに淋しき夜は蕗の葉の太き雨音慰めとする 冬枯れの梢に細き月の影輝き増しつつ師走暮れゆく |
<庭> |
春暁の庭静まれり色淡わし 春の夜や微かに蠢くもの匂う 目覚めれば今朝も雨音梅雨明けず 霜かとも夜半の庭の月の影 |
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