歌句会の部屋 


我が家の庭に関係する短歌・俳句


 自宅に庭があり、四季折々の自然に触れることが出来き、いつも心を慰められている。お陰で空気もうまい。自然、歌心も刺激される。
 
 これまで作った短歌、俳句を調べてみて、庭に絡むものが思いの外多くあるのに驚かされた。その作品を下に紹介します。

                      (2005/7/28)


<生き物>


○ 春雨を心得顔の蝦蟇が行く

春陰の庭に動ぜぬ蟾蜍(ひきがえる) 

 三代の蝦蟇棲む屋の濡れ落ち葉

○磨りガラス越しにやもりの手の細き

去年(こぞ)も見しやもりや窓に白き腹

秋暑しやもりと今期初見参

しめやかに落ち葉踏む音猫来る 
 

< 餌台>


○餌台を清めて冬の庭となす

○餌台の客引きやらぬ冬の雨 
 
囀るやもう餌台に来ぬ鴬(トリ)の

ヒヨ飛びつ縋りつ椿の密吸いぬ

 餌台のひよと目交わす狭き庭
 
四十雀アクロバットす冬日和

風雨荒れ喉も嗄れよと四十雀

秋光に射抜かれ尾長羽散らす

餌台をからみとりたる蔦紅葉  

○ヒヨ啼ける朝心地よき寒気かな

さえずりのけたたましくて行く春ぞ

餌台の手慣れし顔の四十雀見守りながら落花生剥く

餌台に雀の寄るを梢よりヒヨ脅さんと羽を震わす 

庭木立枯れたるごときも餌台に餌欠かさねば小鳥訪なう

<虫>


啓蟄の蟻先陣を争いて 

雨だれの絶え間に虫の声湧きぬ

黒揚羽濃き木陰より身を放つ

新涼の朝に鳴く蝉すぐ止みぬ

外つ国の旅の間に伸びし爪切らんとすればすだく虫の音

○まどろみつ虫の音聞けばふるさとの庭に立ちおり亡母もおわす


<果樹>



雪積もりし梅のつぼみの紅さかな

大鳩に訪われ小梅は花散らす

梅の実のずしりと青き目の高さ

実梅もぐ脚立の上や籠重し

降り続く雨にも明かし柿若葉

日はたゆたい家居のどかに柿若葉

○青柿は葉陰に潜み雨止まず

緑葉の陰から今朝は朱き柿

枝も折れよとばかり柿の実を熟す

木守柿ついばみヒヨの天仰ぐ

庭柿の燃えるがごとく色づきしを亡母に手向けん好物なりせば                       
○腕利きの庭師残せし柿ひとつ梢に熟し秋深みたり

金色にイチョウ落ち葉の敷き詰めし庭の木守の柿の枯れ跡

夏みかんの実も色づけば重み増し都心の小庭にゆったり揺れる



<花>


卒業の姪四年ぶり花の庭

沙羅の花ただ一輪の庭涼し

見上げればいま満開の藤の花 

雨の庭ノウゼンカズラ灯と灯る

初咲きにして凌霄(のうぜん)花庭を統ぶ

○馬酔木咲く己が若葉の華の陰

さるすべり枝振りのまま雪の花

○夏はまたわが庭先に火のごとくノウゼンカズラの燃えさかる季(トキ)


サルスベリ枯れにし枝は白々と花咲き満ちしおもかげもなく  
 

<庭木>


狭き庭木の芽の赤き目の前に

木の芽吹く庭の賑わい目が笑う

庭木少々小緑陰に静居あり

仙菱と万両競う軒端かな 

剣のごと若葉光らせ雨止まず
 
良き朝と言うべし樹下に露光る

ところ得て庭木それぞれの初夏の朝

いずこよりタンゴの調べピラカンサ
 
ピラカンサいよいよ赤くひよ叫ぶ  
 
枝すきし庭透き透きと秋の雲

 一面にイチョウ落ち葉や庭明かし

色づきし銀杏の炎(ほむら)街焦がす

夕なずむ庭で落ち葉の独り言

○枕辺に終夜優しき雨音の庭木慈しむごとく響けり

眠られぬ夜に降り続く五月雨の終夜変わらぬ音のやさしさ

○ことさらに淋しき夜は蕗の葉の太き雨音慰めとする

冬枯れの梢に細き月の影輝き増しつつ師走暮れゆく


<庭>


春暁の庭静まれり色淡わし 

春の夜や微かに蠢くもの匂う

目覚めれば今朝も雨音梅雨明けず
     
霜かとも夜半の庭の月の影

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