囲碁雑記

2001年

(200//5/13掲載)

◆快進撃を続ける王立誠棋聖

◆いよいよ第56期本因坊7番勝負始まる

(2001/2/16掲載)
◆第25期棋聖戦、面白くなりましたね、棋聖戦。両者譲らず2-2のタイに
(2001/1/27掲載)
◆第25期棋聖戦、1-1で好勝負を展開中


2000年
(2000/12/15掲載)
◆王立誠王座、逆転勝ちで王座戦三連覇
(2000/12/14掲載)
◆激動期に入った囲碁界
(2000/10/13掲載)
◆第25期名人戦:依田紀基九段、ストレート勝ちで趙治勲名人から名人位を奪取
(2000/9/23掲載)
◆棋聖戦:ベテランが挑戦者戦線に登場
◆名人戦:挑戦者の連勝スタートで、俄然面白くなりましたね
(2000/9/2掲載)
◆碁聖戦:挑戦者山下敬吾新七段が、ついにタイトル奪取
(2000/8/8掲載)
◆名人戦:依田紀基九段、昨年に続き挑戦権獲得。
◆碁聖戦:挑戦手合い五番勝負は第4局へ
◆本因坊戦:王銘えん九段、新本因坊に
(2000/7/16掲載)
◆碁聖戦挑戦手合い:挑戦者山下敬吾六段が、出だし好調で2-0とリード
◆本因坊戦挑戦手合い:挑戦者王銘えん九段、3-2と趙善律本因坊を角番に追い込む。
◆名人戦挑戦者:王銘えん九段の、本因坊位に次いで連続挑戦か。あるいは依田紀基か、羽根直樹か。
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2001年5月13日 快進撃を続ける王立誠棋聖 この雑記欄、しばらくお留守にしておりましたので、まとめて書き込むことにしました。

昨年暮れに趙治勲九段を相手に王座位を守った王立誠棋聖、その後、立て続けに棋聖位を防衛し、続いて挑戦した十段位も奪取して、ついに三冠王を達成、棋界の第一人者の地歩を更に強固なものにしましたね。

棋聖戦は、挑戦者に趙善律九段を迎え、2-2で迎えた第5局ほとんど負けにした終盤、挑戦者に致命的な失着が出て逆転、その勢いで第六局を完勝し、4-2で防衛に成功したのでした。

十段戦では、敗者組から勝ち上がり挑戦権を獲得。昨年二冠を失いこの十段位の一冠だけになり、死守せんとする小林光一十段を相手に一時は1-2と追い込まれ、第四局目も、寄せの段階で負けのところまで行きながら、相手の判断ミスに助け起こされ2-2のタイに持ち込み、最終局は、持ち前の勝負強さを発揮して、ついに十段位をも奪取したのでした。

これで、昨年暮れから連続して三回タイトル戦に登場しことごとく勝利を収めたのですから、さすが第一人者の名に恥じません。勝負所で相手のミスを誘い出し、なんとか勝に結びつけるところ大したものです。

棋聖戦で敗れた趙善律九段、その後調子が上がりませんが、まだまだ若いのですから、じっくりと腰を据えて捲土重来を期してもらいたいものです。

十段戦で敗れた小林光一九段、昨年二冠を失い、これでまた無冠になり、長年にわたり棋界を支えたライバル趙治勲九段同様、一年のうちに無冠へ転落ですが、まだまだふける歳でもなく、再婚した夫人との間にできた彩(あや)ちゃんはまだ九ヶ月、この子のためにも、趙治勲九段ともども無冠返上に頑張って欲しいものです。愛娘の小林泉美さんが、せっかく女流名人位をとったことでもありますし。

2001年5月13日 いよいよ第56期本因坊7番勝負始まる さて、いよいよ第56期本因坊挑戦手合い7番勝負が始まります。この挑戦手合い、色んな意味で興味深いですね。

出身が同じ台湾同士の戦いですし、挑戦する張 栩七段は弱冠21歳で、史上もっとも若い挑戦者でもあります。本因坊リーグに初参加で早速、挑戦者に名乗りを上げ、棋聖リーグにも残留を決めるなど勢いがあります。試合ぶりを見ても、なかなかバランスのとれた安定感のある棋風で簡単に崩れません。21歳といいながら、試合巧者で、若さにものを言わせるだけの碁ではありません。

迎え撃つ王 銘王宛本因坊にとっては、初の防衛戦ですが、どんな大舞台でも、思い切った面白い手を放ち、戦いを辞さない棋士ですから、明5月14日からNHKの衛星放送でも第一局の実況が中継されますが、どんな戦いを展開するか、胸がわくわくします。


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2001/2/16 面白くなりましたね、棋聖戦。両者譲らず2-2のタイに  四局を終わって2-2のタイ。棋聖戦の展開が、ぐっと盛り上がってきました ね。

 挑戦者の趙善津九段、一局目は、いわば敵地に乗り込んで先勝したものの、 二局目、三局目と王立誠棋聖にうまく打たれて、このまま、ずるずると押し切ら れてしまうのではないかと、外野席から、危ぶんだものでしたが、どうしてどう して、今一番打てている棋士と言われるだけあって、この四局目、346手に及ぶ 激戦を制して(しかも半目差で)、2-2のタイに持ち込みました。いよいよ勝負 は、残る三番に煮詰まってきましたね。

 終局の場面をNHKの衛星第2放送で見たのですが、両者とも手に溢れるほ ど、打ち上げた石を持っており、碁盤を埋めていくと、残ったのが白地3目、黒 地8目と全部合わせてもわずか11目のスペースしか残らない長手数の一局でし た。碁盤には361目あるのですから361引く346イクオール15ということになり、 ダメの数も、プロの碁には珍しく、わずか4つ(15-11=4)しかなかったことにな ります。

  局面は、コウに継ぐコウで、めまぐるしく変化しましたが、局後の趙善津九段の 感想では、コウをしかけなくても残っていたということです。その信憑性につい て、コメントできる棋力はありませんが、やはり対戦中は闘志が燃え上がってい ることでしょうから、手段があるとなれば、険しくなることはわかっていても、 やっていってみたくなるのが、実戦心理というものかもしれません。それで、碁 は、面白くもなるのです。

 趙善津九段は、この一戦で、王立誠に一歩も引けを取らない力戦家であること を、また、勝負強いことを、囲碁ファンにも強く印象づけたのですから、残る三 局、頑張って欲しいものです。

 いや、ここまで来れば、もうどっちがタイトルを取っても、いいような気にな ってきました。お互いに死力を尽くして戦い、碁の面白さを天下に示して欲しい ものです。

 この第四局、じつに面白い戦いで、すっかり堪能しました。 

     

 
 
(2001年1月27日掲載)
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2001/1/27 第25期棋聖戦、
1-1で好勝負を展開中
 いよいよ第25期棋聖戦が始まりましたね。王立誠棋聖に挑戦するのは、趙善律九段。
 年末に強敵趙治勲九段の挑戦を跳ね返して王座の防衛に成功、現在二冠を保持し、棋界第一人者の位置にある王立誠棋聖王座。
 かたや、昨年本因坊位を失ったものの、その後は、各棋戦で勝ちまくり、絶好調の趙善律九段。やはり、現在最高の組み合わせの一つと言えるでしょう。

 第一局は、1月12、13日に王棋聖の故郷台湾で行われ、一目半で挑戦者が先勝しました。挑戦者は、布石では先行しながら、王棋聖の妖術にかかって中盤逆転され、必敗の形勢の中、棋聖の致命的な失着で救われ、再逆転に成功、それでも一目半という僅差での勝利をあげたのでした。
 これで本挑戦手合いも、面白くなったと思ったものです。というのも、中盤以降の打ち回しがやや棋聖が上回っているように思えるからです。

 第二局は、1月24、25日富山の宇奈月温泉で行われ、棋聖の中押し勝ち。これは、挑戦者のできがいまいちの感じがしましたが、わたしだけのひが目でしょうか。
 これで、勝負は振り出しに戻って、7番勝負が5番勝負に煮詰まりました。今後の展開は、次の第三局にかかっているように思います。挑戦者が、これを制することができれば、面白い結果も期待できますが、逆に負けてしまうと、ずるずると棋聖の防衛を許す展開になりかねません。

 第三局は、1月31日、2月1日福島県の磐梯熱海温泉で打たれますが、是非とも趙善律九段に頑張って貰い、本期戦を盛り上げて欲しいものです。

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(2000年12月15日掲載)
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2000/12/15 王立誠王座、逆転勝ちで王座戦三連覇
 王座戦戦第4局は、白番の王立誠王座が208手で逆転勝ちを収め、3-1のスコアで挑戦者の趙治勲を下し三連覇を達成した。

 昨日この第4局は注目の一戦と書いたばかりだが、内容も囲碁界の将来を占うにふさわしいものとなった。

 王立誠は、逆転され九分九厘負けていた碁を、相手の信じられないような失着を誘い出して再逆転するという、持ち前の勝負強さをいかんなく発揮し、囲碁界でただ一人二冠王として第一人者の地位の維持に成功した。昨年暮れ以来、趙治勲と3度タイトル戦を戦い、3-0で負け知らずである。

 これに対して、趙治勲は無冠返上ならず、しかも、目を覆いたくなるような無惨な負けっぷりで、巻き返しはいささか遠のいた感を抱かせる内容だった。

 それにしても、趙治勲はどしたのだろう。勝負強さと粘り強さ、一分の秒読みにも絶対的な正確さが看板だった彼が、勝負所で、今回のような信じられないような失着を打つ。コウ立てに対して受けた一手(207手目)が大失着で、208とつがれて、26目の自らの石が頓死し、相手の死んでいた14目の石が復活する。アマでも高段者なら、やらないようなポカの類での負け、自分を慰める言葉がなく、相手の同情を買う、一番骨身にしみる負け方なのだ。これでは、自分の読みの正確さに対する自信を喪失し、相手への威圧感を失うばかりか、みすみす捲土重来の足がかりを自ら放擲するに等しい。

 全盛期の趙治勲は、相手から敗着を誘い出す強さがあった。ところが、今や地位は逆転し、自らが敗着を打たされるようになっている。この敗戦も、昨年来、タイトルを次々に剥ぎ取られた精神的痛手からまだ完全に回復していないことを示している。好漢、しばらく、じっくり静養して傷を癒し、出直しを図ってもらいたいものだ。

 ところで、7大タイトルのタイトルホルダー側から見た今年の勝敗は、これで2勝5敗。小林光一十段と王立誠王座だけが、タイトル防衛に成功しただけで、3大タイトルを含め、4人の新しいタイトルホルダーが誕生した。

 この布陣で激動の2000年は、終わるが、来年早々には、王立誠棋聖に趙善津九段が挑戦する、棋聖戦が始まる。本因坊を失ってから、絶好調で、国際棋戦に優勝したり、3大タイトルのすべてのリーグ戦に参加を決めた趙善津九段が、今や、棋界の第一人者で、王座戦を防衛し、勝負強さに磨きを掛けている王立誠棋聖にどこまで迫れるか。これまた楽しみである。
 

 

(2000年12月14日掲載)
記入日 タイトル 本文
2000.12.14 激動期に入った囲碁界  1勝5敗。これが今年に入ってからの棋界7大タイトル戦のタイトルホルダー側から見た勝敗である。囲碁界が今年いかに激しい波に洗われているかこの一事でも明らかである。

 タイトルの防衛に成功したのは、これまでたったの一回切りしかない。防衛したのは十段戦の小林光一十段だけで、あとのホルダーはことごとく挑戦者に名をなさしめてしまった。

 年初には、大三冠のうちまだ棋聖位と名人位をもっていた趙治勲が、棋聖戦では王立誠九段に、名人戦では、依田紀基九段に破れ、13年振りに無冠に転落、第25世本因坊を名乗らざるを得なくなった。

 残るビッグタイトルの本因坊戦では趙善津本因坊が王銘えん九段に破れ、初防衛に失敗、わずか一年で無冠に逆戻りした。
 
 小林光一九段は年初三冠王であったのが、中野寛也九段を相手に十段位をかろうじて維持しただけで、碁聖位を新進気鋭の山下敬吾六段に奪われ�