王座戦戦第4局は、白番の王立誠王座が208手で逆転勝ちを収め、3-1のスコアで挑戦者の趙治勲を下し三連覇を達成した。
昨日この第4局は注目の一戦と書いたばかりだが、内容も囲碁界の将来を占うにふさわしいものとなった。
王立誠は、逆転され九分九厘負けていた碁を、相手の信じられないような失着を誘い出して再逆転するという、持ち前の勝負強さをいかんなく発揮し、囲碁界でただ一人二冠王として第一人者の地位の維持に成功した。昨年暮れ以来、趙治勲と3度タイトル戦を戦い、3-0で負け知らずである。
これに対して、趙治勲は無冠返上ならず、しかも、目を覆いたくなるような無惨な負けっぷりで、巻き返しはいささか遠のいた感を抱かせる内容だった。
それにしても、趙治勲はどしたのだろう。勝負強さと粘り強さ、一分の秒読みにも絶対的な正確さが看板だった彼が、勝負所で、今回のような信じられないような失着を打つ。コウ立てに対して受けた一手(207手目)が大失着で、208とつがれて、26目の自らの石が頓死し、相手の死んでいた14目の石が復活する。アマでも高段者なら、やらないようなポカの類での負け、自分を慰める言葉がなく、相手の同情を買う、一番骨身にしみる負け方なのだ。これでは、自分の読みの正確さに対する自信を喪失し、相手への威圧感を失うばかりか、みすみす捲土重来の足がかりを自ら放擲するに等しい。
全盛期の趙治勲は、相手から敗着を誘い出す強さがあった。ところが、今や地位は逆転し、自らが敗着を打たされるようになっている。この敗戦も、昨年来、タイトルを次々に剥ぎ取られた精神的痛手からまだ完全に回復していないことを示している。好漢、しばらく、じっくり静養して傷を癒し、出直しを図ってもらいたいものだ。
ところで、7大タイトルのタイトルホルダー側から見た今年の勝敗は、これで2勝5敗。小林光一十段と王立誠王座だけが、タイトル防衛に成功しただけで、3大タイトルを含め、4人の新しいタイトルホルダーが誕生した。
この布陣で激動の2000年は、終わるが、来年早々には、王立誠棋聖に趙善津九段が挑戦する、棋聖戦が始まる。本因坊を失ってから、絶好調で、国際棋戦に優勝したり、3大タイトルのすべてのリーグ戦に参加を決めた趙善津九段が、今や、棋界の第一人者で、王座戦を防衛し、勝負強さに磨きを掛けている王立誠棋聖にどこまで迫れるか。これまた楽しみである。
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