囲碁の部屋

(囲碁雑記)

囲碁に関すること、何でも思いつくまま、感じるままに書き込みます。ご愛読下さい。


2004年〜2005年



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囲碁雑記
2005/3/16
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目次→ 第29期棋聖戦7番勝負、最終局始まる

2004/12/29
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2004年棋界回顧

2004/3/19 掲載

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第28期 棋聖戦、
羽根天 元、棋聖位を奪取


2004/3/15 掲載

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第28期棋聖戦 山下棋聖、三連敗後の三連勝でにわかに盛り上がってきましたね




2003年

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囲碁雑記
2003/10/24 掲載
目次→ 第 28期名人戦挑戦手合い7番勝負、依田紀基名人四連覇。あっけなく終わる。

2003/6/25

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目次→ 第 58期本因坊挑戦手合い7番勝負、張栩八段が、タイトル奪取し、新本因坊へ  

2003/6/25

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目次→ 第58期本因坊挑戦手合い7番勝負は、2 勝2敗 、三番勝負へ

2003/6/1

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目次→ 第58期本因坊挑戦手合い7番勝負は、1 勝1敗

2003/6/1

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目次→ 第41期十段戦挑戦手合い5番勝負、3− 2で王立誠十段、最後のタイトルを死守

2003/3/4

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2002年
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囲碁雑記

2002/7/12

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第57期本因坊戦:加藤正 夫九段、23期ぶりの本因坊位 復位

2002/7/12

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第27期碁聖戦:小林碁聖、挑戦者 結城聡九段に先勝

2002/7/1

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目次→ 第57期本因坊戦:挑戦者加藤正夫 九段が3-2で王本因坊を角番へ追い込む

2002/7/1

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第27期碁聖戦:挑戦者に結城聡九段登 場

2002/7/1

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目次→ 第40期十段戦:王立誠棋聖が防衛、武宮九段惜 しくも奪取ならず

2002/3/8

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第27期棋聖戦:王立誠棋 聖4-2で柳時薫七段を下し防衛、しかし、何となくすっきりしない結末

 

2002/3/8

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第40期十段戦:王立誠十段が武宮正樹 九段に先勝

2002/3/8

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第5期女流棋聖戦:知念かおり女流棋聖が 2-1で小川誠子六段を下し防衛、三連覇達成

2002/3/8

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第14期女流名人戦:青木喜久代八段2-0 で小林泉美女流名人を下し奪取、二冠へ

2001年

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囲碁雑記

2001/12/31

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今年の碁界回顧:三大 タイトル安泰、五番勝負総入れ替え、国際棋戦では精彩なし

第27期天元戦:羽 根直樹八段初挑戦で天元位獲得

2001/11/15

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第49期王座戦:趙治勲九 段、王座奪取、無冠返上

第20期女 流本因坊戦:小林泉美女流名人が奪取、二冠

2001/11/9

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第26期名人戦:依田紀基名 人、初防衛に成功

2001/9/30掲載

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第26期碁聖戦:小 林光一九段碁聖位 奪還

第26期新人王戦:山 下敬吾新人王、四連覇

第26期名人戦:依田 紀基名人2-1で林海峰九段をリード

第49期王座戦:趙 治勲九段、挑戦権獲得

第27期天元戦:羽根 直樹八段、挑戦権獲得

第57期本因坊戦: リーグ戦開幕、張栩七段好スタート



第29期棋聖戦7番勝負、最終局始まる



 羽根直樹棋聖に結 城聰九段が挑戦する第29期棋聖戦7番勝負は、両者一歩も譲らず、6局戦って3勝3敗のタイ、ついに今日3月16 日から最終第七局目が始まりましたね(16、17日、静岡県小山町の「経団連ゲストハウス」)。握って羽根棋聖の黒、さて、どんな戦いが繰り広げられ、ど ういう結末になるか、囲碁ファンとしては、もう眼が離せません。

 

 これまでの六局 が、どれをとっても超難解なねじり合いに終始しただけに、この七局目も同様の激しい戦いの一局になるでしょう。本当に六局とも見ごたえのある攻防戦で、 たっぷり楽しませていただきましたから、もう、どちらが棋聖になっても拍手です。ここまで来たのですから、両者とも、思い残すことのないように、思う存 分、戦っていただきたいものです。

 

 関西棋院として は、54年ぶりの三大タイトルホルダー(棋聖、名人、本因坊)の誕生がかかるだけに、全棋士、ファンとも、もう固唾を呑んで展開を見守っていることでしょ う。

 初防衛のかかる羽 根棋聖は、カド番に追い込まれた第6局、あわてず騒がず、じつにじっくりとした打ち振りで、精神力の強さを改めて印象付けま した。昨年、山下敬吾棋聖への挑戦手合いで、3連勝しながら3連敗し、この星取でこれまで勝った先例がないだけに、山下防衛の予測が高い中、優勢になりな がらも緩まず、最後まで強手を繰り出し堂々と第七局を制した戦いぶりに、芯の強さを感じたのでしたが、この第6局に、同じ印象を受けたのでし た。その意味では、羽根棋聖が少し有利かと思うのですが、この時点で、意味のない予測をしてもせん無きこと。二人の戦いぶりを、じっくり見させてもらいま す。


2004 年棋界回顧


今年は、この囲碁雑記欄少々さぼってしまい、申し訳ありませんでした。3月の19日に、 「第28期棋聖戦、羽根天元、棋聖位を奪取」をアップして以来、そのままになっていましたが、ここでまとめて、2004年の棋界を振り返って見ましょう。
その3月19日の時点で、棋界の勢力地図は、以下のようになっていました。

羽根直樹  棋聖・天元

依田紀基  名人・碁聖

張栩    本因坊・王座

王立誠   十段

これが、この2004年末の時点で、次のように変わっております。

張栩    名人・本因坊・王座

羽根直樹  棋聖

王立誠   十段

山下敬吾  天元

依田紀基  碁聖

張栩本因坊が、本因坊戦では、挑戦者の依田名人を下して、防衛すると ともに、名人戦では、挑戦者に名乗りを上げ、依田名人を下して名人位も奪取し、史上5人目の名人・本因坊へ。王座戦では、挑戦者の山下敬吾九段を3−1で 破り、三冠目。棋界第一人者の地位を確保しました。小林泉美女流名人と結婚し、まさに我が世の春を謳歌している趣があります。

羽根直樹天元は、年 初に山下敬吾棋聖を破って、棋聖位を奪取し、天元位との二冠についたのですが、年末の天元戦では、昨年と同じ山下敬吾九段を挑戦者に迎え、0−3のあっけ ないスコアで、天元位を明け渡したのでした。2005年に入ると早速、棋聖戦7番勝負が始まりますが、挑戦者に関西棋院の結城聡九段を迎え、どういう戦い を展開することでしょう。ちょっと不調な感じもあり、

依田碁聖は、本因坊 戦では、挑戦者として、名人戦では防衛者として、張栩 九段と 14番勝負を繰り広げたのでしたが、どちらも2−4のスコアで張栩 九 段に名をなさしめ、碁聖位だけは、挑戦者の山田希美夫九段を3−1で下して、かろうじて一冠を保持したのでした。

王立誠十段は、十段戦の挑戦者に最強の張栩本因坊を迎えたのでしたが、3−1のスコアで危なげなく防衛に成功しまし た。

 山下敬吾天元は、 年初に、棋聖位の防衛に失敗して、失冠したのでしたが、天元戦、王座戦と続けて挑戦権を獲得し、天元戦では、羽根棋聖に連続挑戦、昨年の雪辱を果たして、 タイトルホルダーに復帰しました。王座戦では、今をときめく張栩名 人・本因坊へ挑戦、フルセットの戦いを期待したのでしたが、結果は1−3で簡単に土俵を割った観がありました。

 今年の7大棋戦は、こうして、防 衛4(本因坊、王座、碁聖、王座)、奪取3(棋聖、名人、天元)の結果に終わりました。

 この7大棋戦への登場回数は、張 栩名人・本因坊が4回、依田碁聖と山下敬吾天元がそれぞれ3 回、羽根棋聖が2回、王立誠十段と山田規三生八段がそれぞれ1 回ということで、山田規三生八段をのぞくと、すべてタイトルホルダーばかり、やはりタイトルホルダーは強く、棋界の牽引者となっていることを示していま す。

ただ、国際棋戦では、日本勢は相変 わらずふるわず、優勝なしの結果に終わりました。韓国が依然ダントツに強く、中国がやや巻き返しているという状況、日本勢はめぼしい活躍を示すことができ ませんでした。2005年、少しは巻き返して欲しいものです。せっかくのタイトル戦が色あせて見えます。

 さて、来年は年初から、羽根棋聖 vs.結城聡九段の7番勝負が始まります。いったいどういう展開になるのでしょうか。久しぶりに関西棋院から、ビッグタイトルホルダーが出るのか、不調な がら、羽根棋聖が、虎の子ともいうべき棋聖位を死守するのか。興味津々です。

 将棋界では、20歳の渡辺明六段 が、年末も押し迫った12月28日に登場し、第一人者森内俊之竜王・名人・王将から、竜王位を奪取し新竜王へ、新しいスターが誕生しました。






第28期棋聖戦、羽根天元、棋聖位を奪取


昨年末から始まった山下敬吾棋聖vs.羽根直樹天元12番勝負がようやく終わりましたね。結果は、羽根天元の7勝5敗、2勝の勝ち越しですが、こ の2勝 の差が大きい。この2勝分で羽根天元は、棋聖・天元の2冠を達成し、棋界の頂点に上り詰めたのですが、一方の山下九段は無冠へ転落したのでした。

第28期棋聖戦第7局は、期待にたがわぬ大激戦で、終盤白番山下棋聖の下辺の大石の死活 を巡り、一大攻防が繰り広げられてのでしたが、黒番羽根天元が適確に応じて、大石を召し取り、決着をつけたのでした(3月17、18日於静岡県土居町)。

羽根天元にとっては、3連勝後のよもやの3連敗、これまで3連敗後に勝った人は、5回の ケースで皆無という状況での第7局でしたが、いつもながらに冷静沈着に打ち進め、熱闘型の山下棋聖を向うにまわし、一歩も引かずに戦い抜いての勝利ですか ら、棋界の第一人者にふさわしい精神力・技量を天下に示したと言ってよいでしょう。心からおめでとうと申し上げます。

敗れたとは言え、山下九段も、3連敗から3連勝するなど、精神力も技量も羽根新棋聖に劣 らぬものをもっていることを十分示したのですから、惜しくも初防衛には失敗しましたが、捲土重来を期して、精進して欲しいものです。

 

この結果、新しい棋界地図は、次のようになりました。

 

羽根直樹  棋聖・天元

依田紀基  名人・碁聖

張栩    本因坊・王座

王立誠   十段

 

七大タイトルを見ると、大三冠ホルダーがそれぞれもう一つずつタイトルを持ち、二冠を達 成、王立誠十段が一冠を保持という、これまで見られなかった鼎立の布陣になりましたね。

現在、張本因坊が、十段戦で王立誠十段に挑戦していますから(1−0で王十段がリー ド)、この結果次第では三冠王が出現する可能性もあります。

今年の国内棋戦は、これらのタイトルホルダーを軸に展開されるわけですが、タイトルホル ダーには、国内棋戦だけではなく、日本の地盤沈下の著しい国際棋戦でも、リーダーシップを発揮し、日本の復権を果たして欲しいものです。

近く、本因坊戦でタイトル戦にこれまで未登場の挑戦者が決まる可能性もありますし、一年 後どうゆう地図になっているか、このままか、まったく塗り直されているのか、興味は尽きませんが、これからも、ファンの興味を掻き立てて止まない、高度で 手に汗を握る大熱戦を展開して欲しいですね。
  (2004/3/19記)



第28期棋聖戦山下棋聖、三連敗後の三連勝でにわかに盛り上がってきましたね


 実は、昨年の第28期名人戦が4-1で終わった時以来、この囲碁雑記への書き込みを長い間お留守にしておりましたが、それというのも、その時のコメント にも書いたようにややその結末の仕方に失望したのと、その後、天元戦、棋聖戦と若々しい羽根直樹天元と山下棋聖による12番勝負が始まったものの、山下棋 聖の気勢が一向に上がらず、天元のタイトルを2−3で逸した後、棋聖戦ではなすところないままずるずると三連敗、正直言って、雑記を書く元気もでないよう な展開だったからでした。

 これでは、羽根天元の棋聖位奪取、二冠達成も時間の問題と思ったものでしたが、山下棋聖が第4局を半目差ながらなんとか勝ち切り、角番を脱したところで 風向きが変わったのか、続く第5局も、第6局も快勝し、一気に3勝3敗のタイに戻したのでした。

 2−3になったところで、私の書く気も戻ってきたのですが、書きそびれているうちに、3−3となっては、もう書かずにおれなくなってしまいました。

 いや、山下棋聖、さすがに若いながら立派なものです。タイトル戦を戦いながら、他の棋戦も合わせて8連敗というかつてない不調のさなかで、0−3という 角番に追い込まれてからタイに戻す気力は並みのものではありません。しかも、この第6局、尻抜けのシチョウを追った激闘の跡が残っていますが、これで碁を 決めた柔軟な発想には感心しました。

 いや、これで、棋聖戦が一気に盛り上がり面白くなったばかりでなく、棋界にとってもこれは大きな朗報でしょう。やはり、タイトル戦では、タイトルホル ダーが、その強さを見せつけないと、碁の魅力そのものが、消し飛んでしまいます。囲碁ファンも拍子抜けの気分に落ち込みます。何かフロックでホルダーに なったような気さえしてくるからです。挑戦者を相手に高度な激闘を展開し、勝って見せて初めてアマは、納得するものです。

 これまで大三冠のかかった挑戦手合いが128回あり、そのうち三連敗後の四連勝のケースは5回のみだそうです。しかも、この5回とも、後から三連勝した ほうが勝っているということです。この数字からは、山下有利のようにもみえますが、数字はあくまで数字にすぎません。12番勝負を、フルに戦うということ は、両者の棋力がいかに伯仲しているかを示しています。したがって、ここまでくれば、もう気力の世界でしょう。第7局目は、結果は二の次、両者に死力を振 り絞って戦ってもらう以上のことを望みません。

 今週行なわれる第7局が楽しみでなりません。



2003年


第28期名人戦挑戦手合い7番勝負、依田紀基名人四連覇、あっけなく終わる。




 第28期名人戦、依田紀基名人が4−1の一方的なスコアで挑戦者の山下敬吾棋聖を下し、四連覇を達成。あっけなく終わってしまいましたね。名 人戦リーグで8戦全勝、最強の挑戦者の登場と盛り上がっていた7番勝負が、こんな形で終わるとまったく予想していなかっただけに、はっきり言って拍子抜 けです。いや、少々腹を立てております。

 何が酷かったかといって、最終第5局、囲碁界最高のタイトル保持者ともあろうものが、角番に追い込まれての大切な一局で左上隅の簡単な死活を 見損じ、あっさり土俵を割ってしまったのですから、お話になりません。手を抜くからには、当然死活を読みきってのことと思っていました。ところがなんと、 無条件生きのところを(依田紀基名人がコスミつけず並べばコウ)、不利なコウにしてしまい、右上隅のコウ立てを無視されてコウを解消されてしまった瞬間、 素人目にも碁は終わっていたのでした。

 天下の棋聖と名人の頂上決戦にしては、お粗末な結末でした。これでは、囲碁ファンが失望し、囲碁界の再興どころか、衰退に拍車をかけるようなものです。 国際戦で勝てないのも止むを得ないとしたものです。

 こんな棋譜を見せたら世界の碁打ちは、軽蔑の色を隠さないでしょう。

 今期のNHK杯トーナメントでも、中盤で大石を取った武宮九段が、すっかり勝った気になって、素人でも読める左上隅の簡単な、しかし勝ちを決定できる大 きな手段には目もくれず、手数で勝っているにもかかわらず、内ダメを詰めるなど、ずるずると後退に継ぐ後退を重ね、結局1目半の負けと言う、プロにあるま じき負けの一局を放映しておりました。そちらも対戦相手は、依田紀基名人でした。相手を間違わせる威圧感があるのでしょうか。

 われわれアマチュアが、プロの碁を見たい思うのは、アマには及びもつかないいかにもプロらしい、死活に関する読みの深さ確かさ、寄せの巧さ、地合計算の 正確さがあればこそです。その信頼を裏切るようだと、ファンもそっぽを向きかねません。

 山下敬吾棋聖は、引き続き、羽根直樹天元へ挑戦するタイトル戦に臨むわけですが、こんな無様な碁をうたないように頑張って欲しいものです。まだ若く豊か な才能があると思えばこそ敢えて苦言を呈します。

 依田紀基名人・碁聖は、自分より年下の挑戦者を相手に、持ち味を存分に発揮して、名人位四連覇を達成しました。心からおめでとうと申し上げます。強い人 が強くなくては碁界は盛り上がりません。来年勝てば永世名人を名乗る資格を得るわけですから、更に頑張って欲しいものです。


   
第58期本因坊挑戦手合い7番勝負、張栩八段が、タイトル奪取し、新本因坊へ  

 第58 期本因坊挑戦手合い七番勝負、ついに4勝2敗で若き23歳の挑戦者張栩八段が、タイトル奪取に成功しましたね。

 前回この欄で、「第五局を制した方が、タイトルを獲るとみるのですが、はたしてどうなるのでしょうか」と書いたのですが、結果的には、予想通りになって しまいました。

 黒番を入れあっての2勝2敗のタイから、第5局、張栩八段が初めて白番を入れて、3−2とリードし、第6局は、白番の加藤剣正本因坊が、序盤左上隅の有 利なわかれから主導権をとっての戦いを進めながら、左辺の自陣に深深と打ち込まれた石を攻めきれず、連絡を許したばかりか、右下隅の戦いで、地を荒らされ たうえに不覚にも後手を引き、その後は、中央の散石をぼろぼろ取り込まれ、最後は劫にも負けて5子を打ち上げられ、大差での負けとなったのでした。

 右下隅の戦いにしても、普段の加藤本因坊でしたら、もっと激しく攻め立てたでしょうに、地を丸々荒らされたうえに、後手一目の緩着を放つなど、いまひと つ読みの力強さに欠け、後はいいところなく、持ち時間をたっぷり余しての敗北には、納得の行かないものを感じました。

 一方の張栩八段は、有利と見れば、無理をせず、じっくりとリードを保ち、不利と見れば、敵陣深く打ち込むなどの勝負手を放つ一方、辛抱強く相手の石に食 らいついて行き、相手の緩着、失着を誘い出し、それをうまくとがめて、逆転勝ちする。読みの深さに加えて、そうした勝負強さ、精神的なタフさ、安定感が、 印象的でした。

 石田芳夫九段に次ぐ、23歳の若き本因坊の誕生ですが、これで棋聖、名人、本因坊の大三冠のうち、二冠までが、20台の山下敬吾棋聖、張栩本因坊で占め られる事になりましたね。
 第28期名人戦挑戦者決定リーグでも、最終局を待たず、7勝0敗の圧倒的な勝ち星で、山下敬吾棋聖が、依田名人への挑戦権を獲得していることですし、今 年中に、この大三冠がすべて、20台の若き棋士に独占されることになるかも、知れませんね。

 かつて、林海峰、大竹英雄、石田芳夫、趙治勲らの若手に次々とタイトルが移って行く時期があったのですが、それに次ぐ世代交代の大波が押し寄せているの かもしれません。

 つい最近の富士通世界選手権では、韓国の20歳の李セドルが連覇し、その決勝戦の相手は、同じ韓国の16歳の若者だったのですから、世界の囲碁界は、今 やイーチャンホ、イセドルらを旗頭とする若者が牛耳っていると言っても過言ではなく、世界の桧舞台で日本が活躍するには、こうした世代交代が必要なように 思われます。

 張栩八段は、タイトル奪取で、史上最年少での九段昇段も決めました。今後の活躍を期待しております。

 


 第58期本因坊挑戦手合い七番勝負、両者黒番を譲らず、2勝2敗、ついに三番勝負に持ち込まれましたね。

 今日(6月25日)から第5局が加藤本因坊の黒番で始まりましたが、このまま黒番が勝ち続けることになるのでしょうか。いずれにして も、今度勝てば、相手を角番に追い込むことができるのですから、断然有利。従って第五局を制した方が、タイトルを獲るとみるのですが、はたしてどうなるの でしょうか。

 第3局は、先番の加藤本因坊が封じ手の段階ではすでに有利に立っており、その後、がっちり勝ちきった一局と見ます。加藤本因坊の強さ を再認識させた一局でした。

 第4局は、先番の張栩八段が終始リードをしていたと思うのですが、加藤本因坊は右下隅の黒の陣中に深々と打ち込み、見事に生きてみせ るなど、読みのすごさをいかんなく発揮し、中央からの大石を連絡したついでに152とうまく切りを入れた段階では、良い勝負になっていたようです。この切 りを入れた石の効果で、上下の黒石を割き、その死活がらみで、吉田美香七段が発見したという、170で6の二に差し込む妙手が生じ、そこに打てさえすれ ば、加藤本因坊の勝ちだったということですが、1時間半以上も時間を余しながら、加藤本因坊は、ノータイムで別のところに打ってしまい、勝運は去ったので した。最後は盤面10目以上の差が縮まらずと見ての加藤本因坊の投了となったのでした。

 さて、第5局、封じたのは加藤本因坊ですが、この段階では、まだ優劣不明のように見えます。

 明日は、二日目、午後の終局の時間ににっこりしているのは、いったいどちらでしょうか。このシリーズ、なかなか見所の多い好局が続い ていますので、明日も楽しみです。

 

第58期本因坊挑戦手合い7番勝負は、1勝1敗

 第58期本因坊挑戦手合いが始まりましたね。

第1局は、加藤本因坊が勝ち、第2局は挑戦者の張栩八段が勝ち、1勝1敗。両者、黒番を制して、五分の立ち上がりで、残り五番勝負。期 待が高まりますね。

 韓国済州島で行われた第一局(5/14-15)は、読みの深さで定評のある張栩八段が、優勢に打ち進めながら、本因坊の悪手の直後、 その手を、勝着にし てしまう敗着を打ち、まさかの敗北を喫してしまいました。第二局への影響を心配したものですが、北九州市で行われた第二局(5/26-27)は、後遺症を 感じさせない張栩八段が序盤から局面をリード、危うげなく勝ちきりましたね。

 第一日目も衛星放送で、見ていたのですが、87手を見た本因坊が、88手目に一時間以上も考えて、封じたのでした。局面は、素人目に も、中央に弱石を抱 えた黒が苦しく、局面打開を図ろうにも、それほどの好点もなく、苦吟する本因坊が痛々しく感じられたものでした。30手目に、黒の渡りを止めた手が、無理 気味で、その後は、手間をかけたわりには、地所もつかず、攻められる一方で、黒ペースで一日目を終えたのでした。

 二日目に入り、封じ手の88も、上辺の白地を裂かれる手を誘発し、結局先手を取られ、黒119と下辺の大場に先行されては、黒の勝勢 は変わらず、後は 打ってみただけの展開、張栩八段の快勝と言って良く、午後3時25分には、205手での投了となりました。衛星放送は、繰り上げ放送を余儀なくされたよう でした。

 さて、残りの五番勝負。加藤本因坊と張栩八段の年齢差は実に33歳、史上最高の年齢差での挑戦手合いです。二日制の棋戦だけに今後は 体力差が気になってくるのですが、局後の検討などを見ていても、加藤本因坊の闘志は、まだまだ衰えていないようですから、若く冷静な張栩八段が相手であっ ても、まだまだ頑張れそうに思います。

 山下敬吾九段が、棋聖位を制し、世代交代の波がひたひたと迫ってきている感じは否めませんが、王立誠十段が、フルセットで高尾紳路八 段を下して十段位を 死守したように、加藤本因坊、しぶとく本因坊位を維持できるか、張栩八段が勝って、世代交代の波を一気に大波に高めるか、今後の一局一局、興味津々です。

 

第41期十段戦挑戦手合い5番勝負、3−2で王 立誠十段、最後のタイトルを死守

 高尾紳路八段を挑戦者に迎えた第41期十段戦挑戦手合い5番勝負(2003年3月6日〜4月24日)、棋聖位を失った直後の王立誠 が、フルセットの激戦を制して、最後のタイトルである十段位を死守しましたね。

 山下敬吾棋聖に近い世代である高尾紳路八段、その山下敬吾棋聖を挑戦者決定戦で下しての檜舞台への登場であり、世代交代を一気に進め るかもと期待は高 まったのですが、そうはさせじと、王立誠十段が立ちふさがったという構図でした。

 特に最終局、王立誠十段の闘魂は素晴らしく、下辺黒の模様への深い打ち込みからの鬼気迫る闘い振りは、ここまでやるかという感銘を与 えずにはおかないも のでした。改めて、タイトルの重みを印象づけた闘い振りで、大タイトルを持つ人の強さを高尾紳路八段も、思い知ったことでしょう。

 高尾紳路八段、ここまで、追いつめたのは立派ですが、これを肥やしにして、次の大舞台でどこまで生かせるか。ただのプレイヤーで終わ るか、7大タイトルホルダーまで行けるか。本人の今後の精進次第にかかっているように思います。

 

第27期棋聖戦:山下敬吾七段、4-1で棋聖位奪 取

 さすが、日本棋界のホープ、山下敬吾七段、見事、やってくれましたね。

 プロ碁界序列ナンバーワンの新棋聖位を初挑戦で奪取の快挙です。

 小学二年生で小学生名人として登場して以来、17年間、彼の成長ぶりをずっと見守ってきました。翌年は、優勝戦で負けて、表彰式で大 粒の涙をこぼしたこ とも覚えています。11歳で上京して緑星学園の菊地康郎氏に師事し、着々と力をつけ、新人王を四連覇し、22歳の若さで7大タイトルの一つである碁聖位を 奪取するなど、それなりの実績をあげては来ましたので、普通 の棋士だったら、よくやったと誉めるところですが、山下敬吾七段の大器ぶりを知れば、この程度では、私も全国のファンも納得しない。早晩、何か桁外れのこ とをやってくれるはずだと信じて見守っていたのです。

 その期待に、まさか大三冠への初挑戦で応えてくれるとは。やはり、大器である証拠ですね。

 勝負師としては、将棋の羽生竜王に通ずる勝負強さを持っているような気がします。NHK衛星放送での放映を見ていても、ベテランの王 立誠棋聖に臆するようなところは微塵もなく、不利な局面でも冷静に最善手を求めて読みふける。それも自然体で無理がなく、読みにもほとんど抜けがない。大 勝負でも、勝ちにこだわらず、大胆な新手を打てる。囲碁観がユニークで、素人目にも面白い。

 特に2−0から、王立誠棋聖に一勝返されての第4局、これまでの定石にない手を放って、主導権を取り、封じ手の鼻付けで、要の石を 取ってしまった構想力、正確な読みには、感服しました。

 最終局でも、不利な局面になりながらも、冷静に対処し決め手を与えず、次第に形勢を立て直し、終盤寄せで追い抜いています。

 囲碁を打つ姿も自然なら、インタビューを受ける姿も自然で、力みがなく爽やかな好青年です。

 棋聖としては最年少で、久しぶりに、若い大三冠ホルダーの登場です。石田芳夫、林海峰、趙治勲らも23,4歳で大タイトルを奪取し、 以後長く活躍して、碁界の記録を次々に塗り替えてきました。韓国、中国では、山下敬吾新棋聖より若い世代が大活躍しております。彼も、大棋士の素質を持っ ているのですから、日本で活躍するだけでなく、世界を視野に入れて、大いに活躍して欲しいものです。

 これで、7大タイトルのホルダーが、全部違う人になってしまいましたね。

  一方の王立誠棋聖は、今回なんとなく調子が出ずまいの形で1−4のスコアで三期続けた棋聖位を譲ってしまいましたが、息づく間もなく、十段位の防衛戦が始 まります。

 挑戦者は、奇しくも高尾紳路八段です。奇しくもというのは、高尾八段は、山下が小学生名人になったときの相手であり、今回は十段戦挑 戦者決定戦でその山下敬吾七段を破って登場してきたからです。

 一頃の三冠からついに十段だけになった王立誠も必死に防衛しようとすることでしょうから、きっとこちらでも、面白い闘いが展開される ことでしょう。山下敬吾に若干水を開けられた感のある高尾八段が、十段位を奪って巻き返すか、王立誠十段が死守するか。この3月6日に第一局が打たれま す。

 

 


2002年
第57期本因坊戦:加藤正夫九段、23期ぶ りの本因坊位 復位

 やってくれましたね。加藤正夫九段。

 じつに23期ぶりの本因坊復位ですね。しかも、二連敗後の四連勝です。

 最終第6局は、王銘えん本因坊(40)が打ちやすいと見られていた局面 で、左上隅、地に走った手をとがめて逆に攻勢に回り、左辺に巨大な地を稼ぎ、最終的には一目半残しての勝利でした。おみごと。

 55歳でのタイトル獲得は本因坊戦史上最年長。私に近い年齢の棋士の活躍は大いに励みになります。

 これで、加藤正夫九段は、通算4期目の本因坊です。7大タイトルのうち、取ってないのは、棋聖位 のみの大棋士ですから、出来るだけ長くタイトルを維持して 頑張って欲しいですね。月末には、日本棋院副理事長にも就任して、赤字の日本棋院の建て直しにも取り組むようですが、持ち前の力まない人柄で存分に手腕を 発揮していただきたいですね。

  一方の王銘えん本因坊、冒頭2連勝したときには、3連覇かとも思ったのですが、今期はどうも、今ひとつ調子が出ず、その後ずるずると四連敗、土俵を割って しまいました。ただまだ、40歳、めっぽう面 白い碁の打てる人ですから、捲土重来を期して欲しいものです。

第27期碁聖戦:小林碁聖、挑戦者結城聡九段に先勝

 第一局、小林碁聖が、戦上手ぶりをいかんなく発揮して挑戦者の結城九段に先勝しましたね。

 このままでは結城九段、研究熱心な小林碁聖のペースで押し切られかねません。何かペースを変える策を講じて、巻き返しをはかって欲し いものですね。

第57期本因坊戦:挑戦者加藤正夫九段が3-2で王本因坊を角番へ追い込む

 若い王銘えん本因坊が、二連勝したときには、このまま一気に押し切ってし まい、一方的なスコアになるのではないかと、危惧しないわけでもなかったのですが、内容的には、挑戦 者の加藤正夫九段も十分戦えるものを示していましたので、巻き返しを期待して いたところ、なんと、今度は逆に三連勝して、一気に王本因坊を角番に追いつめ てしまいましたね。さすが、ベテランの味、タイトル戦で多くの実績を誇る加藤 正夫九段ならではの快進撃ではあります。

 勢いから行けば、加藤正夫九段乗りですが、王本因坊も、アマにとっても面 白 い碁を打ち、前回も同じ2−3の角番に追い込まれながら逆転で防衛した実績を持つ棋士ですから、簡単に土俵を割る とも思えず、泣いても笑っても残り二局、いったいどんな結果がでますか。加藤正夫九段の久しぶりのタイトル奪取なるか、王本因坊の逆転三連覇なるか。囲碁 ファンとしては大いに楽しみな、今期の本因坊戦ですね。注目の第6局は、7月10,11日千葉県銚子市にて。

 

 

第27期碁聖戦:挑戦者に結城聡九段登場

碁聖戦では、結城九段が久しぶりの登場ですね。 苑田九段との挑戦者決定戦で、どちらも関西棋院所属でしたから、なんとなく、緊 迫感のない戦いだったのではないでしょうか。短手数で終わり、結局結城九段が、久しぶりの檜舞 台登場です。

 迎え撃つは、小林碁聖。いまや虎の子になったタイトルですから、必死に守 ろうとするでしょうから、復調著しいとは言え、結城九段にとってもタイトル奪 取は容易ではないでしょうが、とにかく熱戦を期待したいものです。

 

 

第40期十段戦:王立誠棋聖が防衛、武宮九段惜しくも奪取ならず

最終局までもつれ込んだ十段戦でしたが、結局は勝負に辛い王立誠棋聖の防衛に終わりましたね。最終局、武宮九段のタイトル奪取なる、と 思わせて局面 もあったのですが、終わってみれば、例によって武宮九段にありがちな好局ながら残念譜ということに止まってしまいました。

 ここを抜けないとなかなか、タイトル奪取も安定的維持も難しいことでしょう。武宮九段は、他人の追随を許さぬ 、あふれるほどの才能のある人ですから、このままで終わらず、一皮剥けて欲しいものです。

第27期棋聖戦:王立誠棋聖4-2で柳時薫七段を下し防衛、しかし、何となく すっきりしない結末

 

 王立誠棋聖が柳時薫七段を4-2で下して、棋聖位を防衛、三連覇を達成しました。第四局まで2-2で全くの五分。両者一歩も譲らぬ好 試合を展開しており、勝負は最後の三番に煮詰まり大熱戦が期待された。

ところが第五局の終局で、大トラブルが発生し、3目半の勝利を信じていた柳時薫七段の手から勝利はすっぽり抜け落ちたのでした。

 NHK衛星放送のビデオで見ると、すでに終局と思い、ダメをばたばた詰め始めたような局面であった。298手で、王立誠棋聖は六目の 黒石にアタリをかけた。終局と信じている柳時薫七段は、アタリにつがず、あわてて打つ必要のないタケフのところのダメを詰めた。そこで王立誠棋聖が、「僕 は終局の合意をしていない、立会人を呼んでください」と言い出したのだ。立会人は、ビデオを見て、王立誠棋聖が合意をしていないことを確認して、6目の石 を取ることを認め、6目の石を取られた柳時薫七段は投了、王立誠棋聖の中押し勝ちになったのだ。

 ビデオを見ると、王立誠棋聖にそういう行動を取らせた伏線があったらしい。下辺で、柳時薫七段に待ったがあったというのだ。自分には 石から指が離れたように見えた、と言っていた。つまり、その時点で柳時薫七段の反則負けだったと言っているのだ。

 わたしは、反則負けの方がすっきりする、と思う。棋譜や楽譜は、その譜だけですべてを語り尽くせるから、価値が高いのだ。一言の言葉 も添えなくても、秀策の名局を現在でも楽しむことができるのだ。

 今回の棋譜は、すべてを語り尽くしていない。言葉で補わない限り、299、300の着手の意味は不可解である。町の碁会所で、碁を覚 えたばかりの初心者同士が打っているのではない。棋界の最高位を決定する挑戦手合いのしかも2-2からの第五局、タイトルの行方を大きく左右する局面での 不祥事である。事実、タイトルはこの一局で王立誠棋聖のものとなった。(反則負けが成立していないなら、3-3の五分になったところだ。)

 こんな棋譜を残したら、碁が棋界が、ファンからそっぽを向かれてもしようがない。

 大きな汚点を残した今期の棋聖戦であった。

 

 

第40期十段戦:王立誠十段が武宮正樹九段に先勝

 武宮正樹九段、久し振りの檜舞台登場ですね。武宮宇宙流は、見てる分には面白いのですが、やや勝負に甘くて、なかなか好成績には繋が らなかったのですが、久し振りの挑戦と言うことで、本人も張り切っていることでしょう。対するは棋聖戦の第五局でもめごとのあったばかりの王立誠十段・棋 聖。

  第一局の流れを見ると、王立誠十段が、もめごとの後遺症も感じさせず、持ち前の軽やかなフットワークで、武宮正樹九段の重たいパン チを巧みにかわし、余裕を持って逃げ込んだ感があります。

 第二局は3月22日、武宮正樹九段の白番。ここで1-1に盛り返さないと、タイトルを奪取するのは難しくなりそうです。


第5期女流棋聖戦:知念かおり女流棋聖が2-1で小川誠子六段を下し防衛、三連覇達成

 

 知念かおり三段が、15年ぶりのタイトル獲得を目指して挑戦した小川誠子六段を、第一局を失いながら、第二局、第三局と連勝して、2 -1で下し、女流棋聖位のタイトル保持に成功しましたね。これで三連覇。段位が三段ながら、平成九年以来、女流本因坊三連覇、女流棋聖位三連覇と、タイト ルが空白になったことがないというから、すごいですね。

 一方の小川誠子六段、第一局を制し、久々のタイトル獲得かと思ったことでしたが、その後の二局はやや精彩を欠き、またもやタイトル奪 取には至りませんでした。

 

 

 

第14期女流名人戦:青木喜久代八段2-0で小林泉美女流名人を下し奪取、二冠へ

◆ 小林泉美女流名人本因坊に女流最強位の青木喜久代八段が挑戦した第14期女流名人戦、青木喜久代八段が2-0で小林泉美女流名人を 下し、名人位を奪取。二冠を達成しました。二局とも何となく、小林泉美女流名人の手がちぐはぐな感じがして、青木喜久代八段の強さだけが印象に残りまし た。小林泉美五段は女流本因坊の一冠へ後退し、返って青木喜久代八段が名人位と女流最強位の二冠を持つことになりました。青木喜久代八段は、この四月に は、第二子の出産を控えての快挙でした。

 女流棋戦では、そのほかのタイトルは、女流棋聖位が知念かおり、女流鶴聖位が加藤朋子。二冠を制した青木喜久代が、勢いに乗って女流 棋界の制覇を成し遂げることができるかどぅか。


2001年

今年の碁界回顧:三大タイトル安泰、五番勝負総入れ替え、国際棋戦では精彩なし

 

 今年は、7大タイトルのうち、7番勝負で争われる三大タイトルは安泰でしたが、五番勝負で争われる残りの四タイトルがすべて入れ替わ るという、結構激しい変化の年でしたね。

 棋聖戦は王立誠棋聖が趙善津九段を4-2で、本因坊戦では王 銘王宛本因坊が張栩七段を4-3で、名人戦では依田紀基名人が林海峰九 段を4-2で下し、それぞれ初防衛を果たしました。

 それに引き替え五番勝負の方は、十段戦では王立誠棋聖が小林光一九段から(王立誠棋聖三冠達成)、碁聖戦では、無冠に転落したばかり の小林光一九段が山下敬吾七段から、王座戦では四度目の対戦で趙治勲九段が王立誠棋聖から(趙治勲九段13ヶ月ぶりの無冠返上、王立誠棋聖二冠へ)、天元 戦では羽根 直樹八段が柳時薫七段から、それぞれタイトルを奪取し、タイトルホルダーは総入れ替えになりましたね。

 今年の棋界、旧勢力では、小林光一碁聖、25世本因坊趙治勲王座、林海峰九段(名人位挑戦)らが、あいかわらず頑張っていますし、中 堅陣では、王立誠棋聖を中心に、王 銘王宛本因坊、依田紀基名人がそれぞれ三大タイトルを保持していますし、若手陣では、羽根直樹天元、柳時薫七段、山下 敬吾七段あたりが天下取りを目指していますし、趙治勲九段が三冠を維持した時代と違い、いわば、ある種の混沌情況で、いったい来年どういう変化が生まれる か予断を許しません。大いに楽しみです。

 とはいいながら、日本勢は、国際棋界では、あいかわらず、まったく精彩がありません。どうも、韓国にかなりリードされた感じがしま す。一層の奮起を期待したいものです。

 女流棋戦では、小林泉美五段が史上初の女流名人本因坊を達成、そのほかのタイトルは、女流棋聖が知念かおり、女流鶴聖が加藤朋子、女 流最強が青木喜久代と分散、ここも混沌情況と言えそうです。

第27期天元戦:羽根 直樹八段が初挑戦でタイトル奪取(2001年12月5 日)

 

 天元戦で挑戦者に躍り出た25歳の羽根直樹八段は、柳時薫天元を3-1で下し、タイトル戦に初登場で、いきなりタイトルを奪取しまし たね。冷静沈着な打ち回しで、あわてず騒がす、25歳にしては老成した感じを与える棋士ですが、これで親子で7大タイトルホルダー(泰正九段は、平成二年 に王座位)になるという史上初めての快挙を成し遂げました。父君の羽根 泰正九段しても、嬉しいことでしょう。

 この親子、今年は棋聖戦のリーグ入りをかけた3次予選決勝で相まみえる(息子の勝ち)という珍しい記録も作りましたね。親子がトップ 集団で頑張っているというのも滅多にないことですね(他には小林光一九碁聖と小林泉美女流名人本因坊のケースぐらいじゃないでしょうか)。

 羽根 直樹天元は、年間最多対局数(88局)だけでなく最多勝利数(63勝)をも書き改めるなど、今年は本当に大活躍の一年でした。

 敗れたとはいえ、柳時薫七段、正月から始まる棋聖戦挑戦手合い七番勝負では、挑戦者として王立誠棋聖に挑みますね。好勝負を展開する ことでしょう。

第49期王座戦:趙治勲 九段、王座奪取、無冠返上(2001/11/14)

 

第49期王座戦五番勝負で趙治勲九段が、王立誠棋聖・十段・王座に三連勝し、王座を奪取しましたね(11月14日)。

昨年10月唯一のタイトルだった名人位を依田紀基名人に奪われ、無冠に転落していたのですが、一年ぶりの無冠返上です。

この一年、三大タイトルの挑戦権をことごとく逃がし、やっとつかんだ王座への挑戦権だったのですが、この王座戦に限って言えば、強い趙 治勲九段の復活を思わせる力強い打ち回しで、現在の第一人者王立誠棋聖を翻弄した観があります。

この人が無冠なのが不思議なぐらい実績のある棋士なのですから、王座ぐらいのタイトルをとっても、まだまだ誰も完全復活などとは思いま せん。現にこの五番勝負の最中に打たれた、棋聖戦の挑戦者決定戦では、柳時熏天元を相手に信じがたい見損じをやらかし、敗れております。急所での読みにま だかつての確実性が欠けています。

かつて三冠王として君臨し、三大タイトルのいずれかを20年近くも保持した実力者ですから、やはり三大タイトルの一つも取り返して完全 復活といえるので しょう。

これでタイトル獲得数は63、坂田栄男23世本因坊の持つ64の記録に後一つと迫りました。いずれにしても、この王座戦で見せた剛腕を 維持できれば、新記録達成も時間の問題でしょう。

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第20期女流本因坊戦:小林泉美女流名人が奪取、二冠 (2001/11/14)

 

第20期女流本因坊戦五番勝負で小林泉美女流名人が、祷女流本因坊を3-1で破って、二冠を達成しましたね。

全局とも女流棋士にありがちな力碁の連続で、特に最終局は、大石同士の取るか取られるかの実に激しい攻防を展開し、盤面 の下半分で勝負がついてしまいましたね。

同門同士で、お互いが手の内を知り尽くしており、性格的に妥協を許さぬ者同士ということもあって、序盤から石がぶつかり合い、絡み合 い、息もつかせぬ 攻め合いの連続でしたね。かつての小林礼子六段(泉美女流名人の母君)の碁を彷彿とさせる内容でした。こういう碁は、見ている分には楽しいのですが、打つ 本人はさぞかし芯の疲れる対局だったことでしょう。お疲れさまと申し上げます。

タイトルホルダーが分散している群雄(雌?)割拠の女流碁界で、小林泉美女流名人が二冠を獲得し、頭一つリードしたことになりますが、 これからすんなり女流囲碁界制覇へ向かえるのでしょうか。NHK杯などで、男性棋士に伍して戦う姿を見ていると、彼女にはできると思うのですが。

昨年初タイトル戦でタイトルを獲得した祷陽子五段は、初防衛ならずで残念でしたが、爽やかな人柄で、ファンの多い棋士ですから、捲土重 来を期して貰いたいものです。

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第26期名人戦:依田紀基名人、初防衛に成功(2001/11/1)

 

依田紀基名人(35)が、挑戦者の林海峰九段(59)を4−2で下して、名人位 の初防衛に成功しましたね。

名人の二連勝で始まった今期の挑戦手合い、59歳の林海峰九段では、さすがに往年の力強さを発揮できず一方的な展開に終わるのかと危ぶ んだものでした。し かし、林海峰九段の粘り腰は59歳になってもいっこうに衰えておらず、2−2のタイに巻き返した時点では、さすがの名人にも動揺が見え、予断を許さないと 誰しも思い直したことでした。

ところが、接戦ながらも、第五、第六局と名人が連勝し、初防衛に成功したのでした。 第五局は、序盤、林海峰九段がリードしながら、盤面の真ん中で思わざるしぼりを食い、負けにしてしまいました。

最終局も中盤で一時、林海峰九段のリードした局面があったのでしたが、林海峰九段は不利と見てコウを挑み、最後はコウ材不足で中押し負 けを喫したのでし た。

今期の挑戦手合い、両者とも持ち味を充分に出して戦い、見応えがありましたね。 依田紀基名人には、全局を通してあわてずじっくり戦う余裕が感じられましたし、林海峰九段にも、この歳で挑戦手合いに登場するだけのことはあると思わせ る、打ち回しの冴えを随所で見せて貰いました。さすが現代を代表する名棋士と言われる所以です。

依田紀基名人には、心からおめでとうと申し上げたい。タイトルは防衛してはじめてそのタイトルにふさわしい棋士になるような気がしま す。初防衛を契機にま すます腕を磨き、日本を代表する名棋士になって欲しいものです。

依田名人は、楽観派の雄で、その点素晴らしいと思うのですが、しかし、今後は第四局で見せたような、相手の地を一路狭く数えて、勝ちと 即断するような楽観はしないように願いたいものです。踏み込めるところで踏み込まないのを見て、どうしてこんな打ち方をするのだろうと歯ぎしりしながら実 況生放送を見守ったものでした(挑戦手合いをインターネットで実況生放送で見られるのはいいですね)。

 さて、次期第27期のリーグ戦のメンバーが決まりましたね。 予選枠の三人は、陥落即復帰の王立誠棋聖(43)、新参加の、彦坂直人九段(39)と山下敬吾七段(23)。残留組は、シード順に林海峰九段(59)、趙 治勲九段(45)、柳時熏天元(29)、趙善律九段(31)、王銘王宛本因坊(39)、加藤正夫九段(54)。

さすがに錚々たるメンバーがそろっていますが、今期は特にリーグ戦に初参加する若手のホープ山下七段に注目したいですね。碁聖位 をこの夏小林光一九段に奪回されてしまった後、新人王を四連覇し、今また名人戦のリーグ入りを決めたのは立派ですが、本因坊リーグに初参加していきなり挑 戦者として躍り出た張栩七段のような大活躍を期待したいものです。

来月から始まるリーグ戦、楽しみですね。

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第26期碁聖戦:小林光一九段、山下敬吾碁聖から碁聖位 を奪還(2001年8月20日)

 

 

   碁聖戦では、小林光一九段が、3-2で山下敬吾碁聖から碁聖位を奪還しましたね。

  昨年も最終局までもつれ込み、山下敬吾新碁聖が誕生したのでしたが、今回は、小林光一九段が最終局も持ち前の闘い上手なところを遺 憾なく発揮して、リターン・マッチを果 たしました。全局先番勝ちというのも珍しいですね。

 小林光一九段、昨年、この碁聖位を奪われてから、天元位、十段位と立て続けにタイトルを失い、三冠王から無冠に転落したのですが、一 年も経たないうちにタイトル・ホルダーへの復位 を果たしました。さすがですね。

 一方、山下敬吾碁聖のほうは、自分の戦い方がいまいちはっきりしないまま土俵に上がったような感じで、第四局まで押されっぱなしでし たが、この最終局では、復調のきざしをみせました。今後に期待が持てそうです。

 

第26期新人王戦:山下敬吾七段、四連覇(2001年9月26日)

 

   碁聖位を失ったばかりの山下敬吾七段、新人王戦決勝戦では、久保秀夫五段を2-0のストレートで破り、前人未踏の四連覇を達成果 しました。やはり、若手の中では傑出した存在ですね。ただし、予選開始時に碁聖を持っていたので、今期で本棋戦を卒業となり、五連覇は不可能です。

 まあ、今後はビッグタイトル戦で頑張っていただくとして、とりあえず今期は、十段戦の勝者組の決勝までいっているので(勝者組決勝の 相手は武宮正樹九段)、是非とも挑戦者として名乗りを挙げて欲しいものです。

 

第26期名人戦:依田紀基名人2-1で林海峰九段を リード中(2001年9月27日)

 

 

  名人戦挑戦手合い7番勝負は、現在第三局まで進行していますが、依田紀基名人が2-1と林海峰九段をリード。

  59歳の林海峰九段が、35歳の依田紀基名人への挑戦ということで、依田紀基名人が二連勝したところで、やや勝負は一方的になるの ではないかと危惧さ れたのでしたが、三局目に林海峰九段が勝利を収め、盛り上がってきましたね。

 一、二局とも接戦で林海峰九段の相変わらぬ強さは証明されたものの、勝利に結びかなかっただけに、第三局の実況を見てても、なんとな く、黒リードに思 え、このままずるずると終わってしまうのでないかと危ぶんだものでしたが、88手目の押さえに対して黒の依田紀基名人が89と下からはねて受けたのがゆる みだったらしく、これで林海峰九段が盛り返し、最後は半目残して、初の一勝をあげたのでした。

 依田紀基名人は149手目にも決め手があったのに、見逃し、最後はぴったりの半目負け。まだ、依田紀基名人が有利であることに変わり はないでしょうが、 得意の楽観がでると、勝負はどちらに転ぶかわかりません。 次の第四局が、天王山になりそうです。

名人戦結果へ

 

 

第49期王座戦:趙治勲九段が挑戦権獲得(2001年8月23日)

 

 

 

  碁聖に復位した小林光一九段が、碁聖位奪還後「これからもタイトル戦にでられるように頑張ります。私も治勲さんも老け込む歳じゃないんだから」(週刊碁 2001年9月3日号)と語っていましたが、まったくその通 りで、趙治勲九段にも、頑張ってもらわなければなりませんが、王座戦の挑戦者として名乗りを挙げましたね。決勝戦で、若手の加藤充志七段を破っての一年ぶ りのタイトル戦登場ですが、これで三年連続王立誠棋聖対趙治勲九段の対決になりました。

 三度目の正直、小林光一碁聖のように久しぶりの復位なるのでしょうか。挑戦手合いは10月19日から。

 

第27期天元戦:羽根 直樹八段がタイトル戦初登場を決める(2001年9月25 日)

 

 天元戦の挑戦権は、25歳の羽根直樹八段と23歳の秋山次郎七段という若手同士の間で争われたのですが、難局を制したのは、羽根八段 でした。

 挑戦される柳時薫天元もまだ若く、この両者の戦いはどんな展開になるのでしょうか。新鮮な挑戦手合いを期待したいものです。

第57期本因坊戦リーグ開幕、張栩七段好スタート(2001年9月27日)

 

 王 銘王宛本因坊への挑戦者を決める第57期本因坊戦リーグが開幕しましたね。

 メンバーは、張栩七段、趙善津九段、25世本因坊治勲、羽根直樹八段、加藤正夫九段、大竹秀雄九段、宮沢五朗九段、山田規三生八段の 錚々たる面 々。

 開幕第一局は、いきなり、昨年の挑戦者張栩七段と25世本因坊治勲との対局、黒番の張栩七段が中押し勝ちし、好スタートをきりました が、かつて前人未踏 の十連覇を果 たし、返り咲きをねらう25世本因坊治勲にとっては、厳しいスタートとなりましたね。


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