国家公務員時代の人物評


(2009.7.31掲載)

ポスト名 就任期間
人物評
出典

通産省工業技術院総務部
研究協力統括官
阿部毅一郎氏

1983.10.1~1985..10

 通産省でも指折りのエコノミストとして名が通っている。『どう変わる国際経済と日本』など、数々の編著作があり、シャープな筆力に加え、バランスのとれた知性が文章に一層の魅力を加えている。

 入省は昭和三十八年。長崎県の出身で島原高から東大法学部を卒業した。以後、中小企業庁調査課長、四国通産局商工部長、さらに経済企画庁総合計画局計画官などを歴任して、五十八年十月初代の研究協力統括官に就任した。

 どんな仕事にも全力投球。調査課長時代には中小企業白書をまとめ、経企庁では経済審議会長期展望委員会が発表した国際経済についてのレポートを裏方として取りまとめる仕事をした。さらに中曽根内閣発足後の方針「世界に開かれた日本」に即した経済計画作りにもタッチ。この時の冷静沈着な思考の展開は、政界にも多くの知己を得た。

 現職は、国際化の進む研究協力関係を、工技院を代表して海外との調整を図るポスト。就任以来、八面六臂の活躍を続けているが、この七月『
国際研究協力ジャパントラスト』創設に奔走した。同トラストは広く海外から優れた研究者を招き、国際的な研究協力関係を強化しようというもの。

 特に、同トラストは、事業目的に賛同する篤志家(法人、個人)を集め、公益信託を設定。その運営の際には、篤志家の個人名を付した独立基金とする(たとえば公益信託○○記念基金として、その運用益などを外国人研究者の招聘事業に充てる)のが特色で、財源難の折、実にユニークな発想と、早くも注目を集めている。

 阿部さんにとっても、考えに考え抜いた政策がいま花開いたわけで、まずはホッと一息。新設間もない同ポストの将来にも、ひとつの重みをつけ加えたわけだ。

 趣味はテニスと囲碁(五段)で、クラシック音楽の鑑賞も。それに大の読書家で、経済、教育、文学、歴史と幅広い。「本を読み書くことが最大の頭の健康法」控えめに語っているが、着実に実力をつけている将来楽しみな“ホープさん”だ。(林原)



月刊「時評」 1984/10
p.193

指定席

通産省工業技術院総務部
研究協力統括官

阿部毅一郎(あべきいちろう)

1983.10.1~1985.10


「頭のキレは抜群。才人。センスがよく、アイデアも豊富。何時も前向きに、挑戦していく。なかなかの仕事師。官庁エコノミストでもある。期待される成長株。

「技術が今後の経済発展の核となることは明らかです。技術開発のためには、いまや、国際的な協力が不可欠。しかし、この分野は、わが国だけでなく各国にとっても、経験の浅い分野で、手探りの状況にあります。したがって、長期的な視点から、みのりの多い、国際研究協力のためのスキームを整備していくことが、わが国にとって急務です」という。

生活信念を聞くと、「あべきいちろう」各文字を取って、(あ)あせらず、(べ)勉強、(き)気永に、(い)生きて、(ち)血の沸く、(ろ)ロマンの、(う)詩も忘れずーーという答えが返ってきた。

東大法学部卒、昭和三十八年四月入省。五十年二月ポーランド大使館一等書記官、五十三年五月帰国して中小企業庁調査課長、四国通産局商工部長、経済企画庁計画官などを経て現ポスト。

趣味の囲碁は五段。めっぽう強い。ポーランド時代、現地で囲碁道場を開いてポーランド人に教えた。当時の教え子、クラシェック棋士がヨーロッパ・チャンピオンになり五十八年には東京の国際大会に出場した。感激の再会だったという。

テニスは通産省の同好会「白球会」の有力メンバー。同期の西川禎一日用品課長と組み、優勝している。
東洋経済の記念懸賞論文に「日本式経営の総点検」を出し、入賞した。同書は、話題の論文になっている。最近は「現代産業選書」で「どう変わるシリーズ」を企画、五十八年八月には「どう変わる国際経済と日本」(阿部編著)を出版。この分野での活躍もめざましい。

長崎県島原市の出身で、島原一中―島原高―東大法。昭和十五年一月五日生まれ。



月刊「霞ヶ関」1984年増刊号(1983年12月発行
)

通産省工業技術院総務部
研究協力統括官

阿部毅一郎(あべきいちろう
)

1983.10.1~1985.10


38年4月通産省入省。頭のキレには定評がある。優れたエコノミストでもあり、週刊「東洋経済」創刊八十五周年記念懸賞論文『日本式経営の総点検』で注目を集めた。

モットーを聞くと、「あべきいちろうの折句で「(あ)あせらず、(べ)勉強、(き)気永に、(い)生きて、(ち)血の沸く、(ろ)ロマンの、(う)詩も忘れず」と答えた。

0年2月から53年5月にかけてポーランド大使館一等書記官をつとめ、ポーランド問題にも詳しい。その間、現地で囲碁道場を開き、当時入門した弟子が、83年欧州チャンピオンになり、84年世界アマチュア囲碁選手権では9位に入っている。

通産省に戻ってまず就いたのが中小企業庁調査課長。中小企業白書『変わりゆく時代への活力アル対応』で、中小企業の果たす役割を積極的に位置づけ、その機能を多面的に明らかにした。54年9月から四国通産局商工部長。「80年代の四国ビジョン」のとりまとめ、大規模小売店の出店をめぐる9年越しの紛争の解決に当たった。

 経済企画庁では総合計画局計画官(国際経済関係担当)として、二年間に100回を越す審議会で「二○○○年の展望」「80年代の経済社会の展望と指針」の二大プロジェクトを仕上げ、日本の国際化への対応の重要性を強調し、指針の四大目標のひとつとした。また、審議会運営の活性化を図るべくアンケート、外国人からヒアリング、論文執筆等を採り入れ、その成果は編著『どう変わる国際経済と日本』(通称調査会刊、一九八三年)にまとめ出版されている。

 58年10月より就任した現職では、技術開発に不可欠な国際研究協力整備に向け院内などとの総合調整・バックアップが主務。サミット科学技術協力プロジェクトの推進、海外研究官招へい制度の拡充などの企画・立案に忙しい。

趣味は囲碁が五段の腕前、読書は推理、日本人論、自然と多様で、音楽はクラシックが中心だが鑑賞にとどまらず音楽分野の本も読む。その他ビデオカメラ、ワープロとこなし、創作もてがける。ゴルフは、ハンデ20、テニスは白球会:ダブルスで2年連続優勝というスポーツマン。酒はワイン党だがつきあい程度、タバコはすわない。

家族は夫人と一男一女。大学のクラスメートに防衛庁長官の加藤紘一がいる。

昭和15年1月5日生まれ。
【昭和38年4月通産省入省・56年8月入庁・島原一中―島原高―東大公法学科卒・長崎県島原市出身】



1984年「日本の官庁」政策時報社

経済企画庁総合計画局計画官(国際経済関係担当)

 阿部毅一郎(あべきいちろう)

1981.5~1983.9.


38年4月通産省入省。頭のキレには定評がある。また、優れたエコノミストでもあり、東洋経済の、創刊八十五周年記念懸賞論文で入賞している。かなり注目された『日本式経営の総点検』がそれ。

50年2月から53年5月にかけてポーランド大使館一等書記官をつとめ、ポーランド問題にも詳しい。通産省に戻ってからは中小企業庁調査課長、四国通産局商工部長。調査課長時代には、中小企業白書をまとめている。現在の主な仕事は、が国経済の今後20年の長期展望、現在の長期経済計画の策定、フォローアップ。

趣味は囲碁でメキメキと腕をあげ、現在は5段。そのほか音楽はクラシックが中心。八ミリカメラも好き。そしてテニスもやるというスポーツマンである。

酒は付き合い程度で、タバコはまったくすわない。家族は夫人と一男一女。
昭和15年1月5日生まれ。

【昭和38年4月通産省入省・56年8月入庁・島原一中―島原高―東大法学部卒・長崎県島原市出身】



1982年「日本の官庁」政策時報社
経済企画庁総合計画局計画官(国際経済関係担当)

 阿部毅一郎(あべきいちろう)
1981.5~1983.9.  経済計画作りに励むI
 人も知る”文筆官僚”

             経済企画庁総合計画局計画官 
                      阿部数一郎氏


 通産省からの出向組。経済計画作りの第一線で活躍中なのが阿部毅一郎さんだ。ポーランド大使館一等書記官、中小企業庁調査課長、四国通産局商工部長を経て現職に就任している。

 経歴からも分る通り、海外、中小企業、地方経済の実情をひと通り勉強しての就任だったから、現職はなるべくしてなったようなポスト。過去の実績がストレートに生かされているわけだ。

  さて、阿部さんといえば、人も知る大の文章家。国際経済から教育、文化、文学、歴史に至るまで読書量の多さもさることながら、小説、論文、随筆と著述活動も続けている。    

 これまでにも東洋経済の創刊八十五周年記念懸賞論文に入賞した『日本式経営の総点検』を始め、未発表だが、小説『遺書は風に散った』などがあり、物書きの多い経済官庁の中でも、特に将来有望な″文筆官僚″の一人になっている。

 「いろんなことへの関心が生活を楽しくさせるものですよ」と本人は謙遜するが「本を読み、書くことが最大の頭の健康法」とハードとソフトのバラソスのとれた官僚生活を楽しんでいる。

 が、この阿部さんにとって目下の課題は「中曽根新内閣の方針=世界に聞かれた日本=即した経済計画作り」。これには「国際経済の担当官として、それにふさおしいものを作るつもりです」と元気一杯。

 着実に実力をつけている将来楽しみな″ホープさん″だ。


月刊「時評」 1983/4
p.25

官界パトロール(経企庁)


2009/12/03掲載