僕の日記1955年
1955年12月21日水曜日 天気: 起床:時分 就床:時分 
 

12月21日 水曜日

革命記念日:火野葦平の「ただいまじぇろ匹」の小区部のテーマだが、私のとっても この言葉は意味を持たせなくてはならない。私の点、思想からより勉強法に対してで ある。今度の期末考査は、まったく惨敗に近いものである。どれ一つと予想を裏切ら なかったものはない。それほど私は自分自身を信頼し、自分の勉強法に自信を持って いたのだ。

 それはまったく過の信頼であり、自信であった。まったく恐ろしいことだ。

 人が成長していく過程で、自分をよく知らぬと言うことがどんな大きな影響を与え ることだろう。私は出来るだけ近い将来において私の根本の上にあるものに革命をも たらせねばならない。

 ペンで書いたのでいやに汚くなってしまった。

 奥野信太郎の文に(万年筆が見つかった)、人は人生の意義を重大視するが一日一 日というものを大事にしないという意味のものがあった。つまり一日一日が人生を形 成しているのがわからないのだ。あまりにも自分が考える人生に対して自分自身に接 近しているのだ。

 その点日記をつけるということは役立つというのである。

 確かにそうだと思う。私が今いる位置が私の人生航路なのだ。明日から始まるもの ではない。自分自身で人生を意識しだした頃にすでに船は出航した。それはあまりに も長い休息のない航路である。なんと多くの港が休息のために用意されていることだ ろう。

 しかし、船は油の切れるまで一生懸命進むのだ。そしてほんとうに自分を待ち受け ていた港を見つけてそこで長かった航路をしずかに振り返りながら、錨を海に投ずる のだ。

 私は意識する。私の今いる地点の周りは本当に港とばかりだ。が本当に目的となる 港はどれだかわからない。どれが私のために用意されているのだ。けだし港に入らず に航海を終わるかもしれない。

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