僕の日記1955年
1955年11月5日土曜日 天気:晴れ起床:7時30分 就床午前1時00分 
 

11月5日土曜日晴れ起床7時30分就床1時

映画:「青銅のキリスト 」 「くちづけ」 後者が面白かった。

 

世の一般をあざ笑う性質があった。人の逆をしたがる性質を持っていた。「二十四の 瞳」や「男の道」(はっきり記憶していないが)を見たときに、涙物語だ一般的だと 思いながらも胸の底までじーんときた。このごろはなお更だ。 二年ぐらい前だったろう。あらゆるものを馬鹿らしがっていて人の悲しむところは平 気でいて、振り返って人の顔を見て楽しんでいた。

今日映画に行ってそんな気持ちが全然なく、まったく無垢に喜んで見られた。それで こういうことを思い出したわけだ。心の成長というものは身体の成長よりつかみやす いものである。

前者は抽象的だ。後者は具体的であってもやはり普通の状態において は前者である。しかし、その場合“ものさし”を持ってこられたんでは話は別であ る。まったく逆になってしまう。

 

 

 

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