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1959.12.1 Tuesday

1959.12.1

◆ついに12月の声を聞く。
今年も後一月となってしまった。
バイト先で、うれしいことを言ってくれた。
人間の善意と言うべきものであろう。
ちょっとした言葉の切れ端に、ほのぼのとした暖かみを感ずるのは。
「先生が来ていただくようになって勉強に張りが出たとこの子が申すようになりました。どうもありがとうございます」
単なる虚辞であってもいい。
でも、それのもたらす心の暖かみは忘れがたい。
思うには、こういう言葉でさえもなかなか言える人は少ないということなのだ。
単なる思いつきでもいい。
やすやすと思いつける言葉ではないのだから。
12月の寒風の中を、降るような星空にこだまするくらい元気良く帰路に靴音を響かせながら私は愉快であった。
寒さは心の温もりの敵ではない。

◆今日は2年石川、山之内両嬢らと軟庭をする。僕の組んだコンビは相手が誰であろうと全部勝った。別 に特別当たったわけではないが、女の人というものは敵に回るとガゼン弱くなり、僕と組むとガゼン元気が出ると言うことである。

 女の人とちょっとしたスポーツをやるということだけで、男同士でやるのと違った楽しい気持になるのは、ごく当たり前のことだが、なかなかチャンスというものはないものなのだ。今日はそれでもまた楽し。

1959.12.12 Saturday

1959.12.12

◆この頃読んでいる本は、
○現代政治の思想と行動  丸山真男
○近代日本思想史講座(近代化と伝統)(12.5)360円
○法における常識(12.5)270円
○世界1月号(12.5)160円
○世界と日本(12.5)200円
○憲法
といったところ。
 偏向に注目あれ。如何にも文一の学生にふさわしき内容ではないか。『世界と日本』はその意味で偏向から少々の脱出を試みたものだ。河出書房新社からの「アンナ・カレーニナ」でも加えて文学的色合いも増したいが、遺憾ながらSI、SIIには、絶対に近寄れない。読書傾向が"偏"と修飾されるようになれば良くないが、どっちみち傾向のない読書は大した意義がないように思う。自分の一番知りたいものに向かって本を捜すなら、同傾向のものが多く集まるのは当たり前という気がする。

 丸山真男さんの現代政治の思想と行動は、まさに、変な表現だが、うならせると言いたいほどだ。論理的な明解さ、分析力の卓越、思想内容と文章の一致等々、実に私の心を打つとセンティメンタルにでも表現しないと真意を吐露できたかと心配になる。

 近代日本思想史講座の方は予約読者になったけれど大したものになりそうにない。

 「世界と日本」はなかなかいい本だ。本当の”常識”として、身につけなければ恥ずかしい内容だ。

1959.12.17 Thursday

1959.12.17
ア)阿部啓子、阿部隆、板倉重馬、入野正彦、伊沢弘志、板倉直人(池上啓子)小高嶺克彦、
カ)草野栄太郎
サ)榊原博
ナ)中島光恵
ハ)原佑、福島正富
ヤ)山下肇
ワ)渡辺貞治

(注:ここで、この日記は余白5ページを残して、いきなり終わっている。2002.7.23記す)


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