[作家の手帳]の部屋

Writer' Notes

since November 27,1997


 日頃折にふれて書き留めた覚書を、サムセット・モームの「作家の手帳」のひそみに習い、 この部屋に、 アットランダムに、掲載してゆきます。ご愛読いただければ幸いです。

 
 


目次
掲載 日索引へ
事 項索引へ

自 分自身のための知的生活 のための覚書へ










2005/3.16掲載)new
長 生きと成熟は別
聴 く耳と見る目
行 間を読む
文 章
書 物
無 名を恐れるな
ホー ムページ


事項索引
あ行
『悪童日記』『アメリカン・タイム』あやつる『イギリスはおいしい』一番不 幸な男|

か行
『カメラ』眼力|聴 く耳と見る目、希望的観測の男|行 間を読む、鎖を垂らして歩いている女の子|訓 読|芸術には形式がつきもの『ゲーテとの対話』|ゲバントハウス弦楽四重 奏団

さ行
幸せな男書 物,人生を愉しむ法
成熟した女性
|戦後わたしが食べたことのある食べ物

た行
読書について

な行
長 生きと成熟は別,長生きの作家とその作品|日本抜きで-金 があるだけでは歓迎されない

は行
『花咲くチェリー』|光|船乗り,文 章,ホー ムページ

ま行
無意識の美しさと意識している美しさ|,無 名を恐れるな,名幹事について

や行
ら行
『ラ・アルカリアへの旅』ルール を無視しても頑張る企業体質
 

わ行
分かるということ
私の人生を愉しむ法


掲載日索引
1997/11/271997/12/11997/12/261998/3/19-11998/3/19-2
2003/8/26|
2005/3/16
2009/9/6
2010/02/08


(2010/2/8掲載)
 項目  本文  関連するホームページ
 読書について
 読書は、山に降る雨のようなものだ。

・何年もかかって、ふもとに泉として湧き出すこともある。

・そのまま地下に染みこみ、地下水系を形成することもある。

・小雨程度の読書では、たちまち蒸発してしまい、地下に染みこむことはない。

・地下水系があって初めて地上に緑したたる樹木を育て、美しい山容をいつまでも保つことができるのだ。
(2009/10/14記す)
読書の部屋 
     

2009/9/6掲載)

私の人生を愉しむ法
19930621原案20090902加筆
参照「私の独楽吟
愉しみ  実例   関連するHPの部屋
名入り折句で人生訓 (あ)焦らず(べ)勉強 (き)気長に (い)生きて 
(ち)血の沸く (ろ)ロマンの(う) 詩(うた)も忘れず
 
私のプロフィール
言葉遊び 
 数字で綴る我が人生  私の54321で自己紹介:5: ご趣味はと聞かれればむ趣味と答える多趣味人間 4…  私のプロフィール
 地名入り折句で綴る旅の思い出 我が旅の尽きせぬ思い語らえば長き一夜もいつか白みぬ(稚内)…   言葉遊び 
 望郷の思いも地名入り折句に託す  (し)清水湧き(ま)真鯉は泳ぎ(ば)バラ香る(ら)楽土さながら(し)島原の町  言葉遊び 
 新婚の門出を祝う名入り折句  (なか)中身濃い(やま) 大和撫子(み) 魅力的(ど) どこから見ても(り) 理想の新婦、などと、甥や姪の結婚式では、名入り折句の祝い歌を贈ることが、恒例化している。  言葉遊び 
 読書の伴侶に円グラフ  本を読むときには、○を描き、読んだ分だけ、その比率で円内を塗りつぶす。500ページの本を150ページ読めば、30%分を塗る。  
 テニスも囲碁も星取り表    エッセイ:私の星取り表
 替え歌で歌えばひと味違うカラオケ  作詞は、歌唱に比べればよほど得意である。カラオケで、やむを得ず歌わざるを得ないとき、歌唱力を誤魔化すために、自ら作った替え歌を歌ったこともある。「サッチョンブルース」(「待ちのサンドイッチマン}の節で。「北の旅人」  エッセイ:
言葉遊び 
詩と歌詞の部屋
 夫婦で同趣味和合の秘訣  囲碁、テニス、スキー、旅行、グルメ  私のプロフィール
 チケット集めて観劇の感激    、エッセイ:観劇の感激
 8mm利用のゴルフ術    
 ビデオ予約で棋力をアップ  NHK杯囲碁(日曜日正午から午後2時は、毎週録画、このコピーを10年間以上海外の友人へ送り続けたこともある。
エッセイ:五段はイロハ
囲碁の部屋
エッセイ:ポーランドに播いた種
 メモ魔で本も見えてくる  カード、手帳、ポストイット、「文化としての日本的経営
 私自身のための知的生産覚え書き
エッセイ:ワープロの効用
 効率の倍増目指すながら族 読書しながら、音楽を聞く、テレビを見ながら本を読む、などなど、根っからのながら族。家人には煙たがられている。   エッセイ:ながら族の夢
 ワープロ・パソコン=文房具  ワープロは、120万円のものを1982年に買った。まだ、8インチフロッピーディスクだった。
パソコンは、ポケコンの時代からのお付き合いだ。BASICというプログラム言語と格闘した思い出がある。
 エッセイ:ワープロの効用
 iPod携え名曲、名手も身近  iPODは、3代目を使っている。5000曲以上収録しており、毎日欠かさず聴く。BOSEのノイズキャンセリングイヤホーンと組み合わせると最高。ウオークマン、ビデオ付きウオークマン、全部試した。  エッセイ:iPodのある生活
エッセイ:生活の中の音楽
 デジカメ・DV、旅の道連れ  カメラは、小学生時代の二眼レフから始めた。デジカメは3台目。動画は、8mmフィルムの時代から撮っている。DVビデオは、今も旅行に必ず携帯する。ストック量も並ではない。  写真の部屋
 ステップ踏めば心も軽い  学生時代はダンス・ダンス・ダンスの時代だった。
観るのも好きだ。2009年8月には、モスクワでバレエ発祥の地のバレエを観てきた。プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」
 エッセイ:舞踏への勧誘
 求古探新で読書三昧  積ん読量は、読書量の数倍。「理想の図書館」を作ろうとせっせと買い込んでいる。  読書の部屋:新規購入書籍
 外行けば買わず飛び込む見ずの客:  好奇心旺盛  
 衰えぬ好奇心こそ健康法    エッセイ:私の健康法
 気の多さ年取るほどに増すばかり  50の手習いのみならず、60の手習い多し.。回廊型川柳の創案は69歳  エッセイ:
回廊型川柳
 口説きたい気持ち衰えず生(性?)の源  美女には弱い  エッセイ:薄野慕情
 安きにつくが易きことわり  バーゲン・セール、割引好き。  エッセイ:ショッピングの角逐
 1日に15分でも継続は力  15分は1日の1%。100日続けば、丸1日(=24時間)   私自身のための知的生産覚え書き
 何事も力みは百害の元  スポーツ、仕事、人生。人生は遊びとして生きねばならぬ。  スポーツの部屋
 愉しみなくて何のやりがい:。  人生は愉しみから愉しみへの旅、愉しいから長続きする ホームページ
 思わざれば・気づかざれば、何事も成らず  思いつかない限り、気づかない限り、何もできぬが、思いついてやろうと思えば、やれるもの思い立ったが吉日。始めるに遅きことはない。  
     
     
     



○名入り折句で人生訓:焦らず勉強 気長に 生きて 血の沸く ロマンの 詩(うた)も忘れず
○数字で綴る我が人生:私の54321で自己紹介。5:
ご趣味はと聞かれればむ趣味と答える多趣味人間 4…
○地名入り折句で綴る旅の思い出:我が旅の尽きせぬ思い語らえば長き一夜もいつか白みぬ(稚内)…
○望郷の思いも地名入り折句に託す:清水湧き真鯉は泳ぎバラ香る楽土さながら島原の町
○新婚の門出を祝う名入り折句:中身濃い 大和撫子 魅力的 どこから見ても 理想の新婦
○読書の伴侶に円グラフ:○、
○テニスも囲碁も星取り表:○
○替え歌で歌えばひと味違うカラオケ:金縁眼鏡に背広着て泣いたらホステスが笑うだろう…(街のサンドイッチマンのメロディーで)
○夫婦で同趣味和合の秘訣:囲碁、テニス、スキー、旅行、グルメ
○チケット集めて観劇の感激:
○8mm利用のゴルフ術:
○ビデオ予約で棋力をアップ:NHK杯囲碁
○メモ魔で本も見えてくる:カード、手帳、ポストイット、「文化としての日本的経営」
○ながらで効率倍増目指す:ながら族
○ワープロ・パソコン=文房具:
○iPod携え名曲、名手も身近:
○デジカメ・DV、旅の思い出:
○ステップ踏めば心も軽い:ダンス・ダンス・ダンス
○求古探新で読書三昧:積ん読量は、読書量の数倍
○外行けば買わず飛び込む見ずの客:好奇心旺盛
○衰えぬ好奇心こそ健康源:
○気の多さ年取るほどに増すばかり:50の手習いのみならず、60の手習い多し。
○口説きたい気持ち衰えず生(性?)の源:美女には弱い
○安きにつくが易きことわり:バーゲン・セール、割引好き。
○1日に15分でも継続は力:15分は1日の1%。100日続けば、丸1日(=24時間)
○何事も力みは百害の元:スポーツ、仕事、人生。人生は遊びとして生きねばならぬ。
○愉しみなくて何のやりがい:人生は愉しみから愉しみへの旅、愉しいから長続きする。
○思わざれば何事も成らず:思いつかない限り何もできぬが、思いついてやろうと思えば、やれる
思い立ったが吉日。



(1997/11/27掲載)
眼力
人は自分自身を見抜く眼力を持った人を嫌う。また世間並みの尺度以上の尺度で計ろうとする人をも嫌う(1971/9)


幸せな男
つまんない女であるくせして自分のことをとてもすてきな女と思っている女をつまんない女とも知らずとてもすてきな女と思って連れ歩いている男(1970)

一番不幸な男
つまんない女であるくせして自分のことをとてもすてきな女と思っている女をとてもつまんない女であると思いつつもそれ以外の女には相手にされないのでやむ なく連れ歩いている男
(1970)

希望的観測の男
つまんない女であるくせして自分のことをとてもすてきな女と思っている女を自分でもつまんない女と思っているがだれかとてもすてきな女と思ってくれるかも しれないと思いつつ連れ歩いている男(1970)
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無意識の美しさと意識している美しさ
女性は、見られていることを意識していないときの方が美しいか、それとも意識しているときの方が美しいか。私は、意識しているときの美しさに軍配を上げ る。もちろん完全に一人でいるときを除けば、女性は完全見られているということから無意識にはなれないであろう。しかしただ漠然と人目を意識しているとき よりか、ある特定の男性の注意が自分の上に注がれていると意識しているときの方がより美しくなるように思う。思うに女性の美しさとは、花や月の美しさとは 違い、いわゆるお色気がふんわりとあたりを包む程度でなければならないということであり、お色気とは男性の目を意識するところにしか出てきようがないもの なのである。(1971/7/8)


長生きの作家とその作品
作家が長生きすると、一世代昔に発表した作品であっても、なんとなく生きの良い現代文学のような錯覚に陥ることがある。たとえば、モームの『人間の絆』な どは、作家の手帳のなかでモームがあれは30年前に出したものだと1944年のノートのなかで述べているのだから、もかれこれ55年も前の作品になるのだ が(人間の絆は1912年に書き始められ1915年発表された)モームがつい最近まで生きていた(1965年12月16日没)せいもあって、だれしももっ と新しい作品と思い込んでいる。『人間の絆』の場合、明治大正期の近代日本文学が注釈付きで出版されるなかにあって、つねに現代語に翻訳されて提供される 洋書の強みももちろんあるのであろうが、夏目漱石の『こころ』などと同じ年代の作品と知って驚く人は多いはずである。(1970/1/26)
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戦後わたしが食べたことのある食べ物

かいこのさなぎをすりつぶしたもの
芋の蔓B種芋にした後の芋
かぼちゃの葉および蔓
おから
糠饅頭
お汁の中にご飯粒が浮いているおかゆ
芋饅頭(角切りにした芋をメリケン粉といっしょに蒸かしたもの)
手製のパン(トタンを張ったパン焼きで、メリケン粉にイースト菌を混ぜて焼く)
川のエビ
犬が置き忘れて行った鶏
里芋の茎
育てたうさぎ
里芋の茎
高粱


育てた山羊
かたつむり
松にすくっていた白い虫
(1970/1/28)
 

成熟した女性
日本の女性には成熟した感じを与える女性が極めて少ない。それでも、容貌や化粧、身のこなしなでが成熟した感じを与える女性はいるにはいるが、精神的に成 熟した感じを与える女性となるとほとんど見当たらない。
一個の確立した人格というものに到達するには、まだまだ日本の女性はかかりそうである(ルソーの書物などを読むとすでに18世紀においてすら、フランスに は男性と対等に渡り合う女性がいたことがわかる)。
日本の封建制度および近代絶対主義時代の風潮がかかる女性の停滞を招来せしめたものか。(1970/1/26)
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鎖を垂らして歩いている女の子
腰のあたりから鎖を垂らして歩いている女の子がいる。わたしはいつでもあなたの鎖につながれる用意がありますという意思表示か。ちょうど愛玩犬のように。 (1970/1/26)


芸術には形式がつきもの
音楽や絵画などは形式に規定されている。およそ芸術といわれるものは、一定の形式内で収まっている限りにおいて一つのジャンルを形成しうるのであって、形 式を完全に破壊してしまうと、それは新たな芸術の誕生か、非芸術的なものの登場である。短歌が5,7,5,7,7の31字の形式を完全に離れてしまえば短 歌でなくなるように。しかし、単に5,7,5,7,7の31字の形式に合致していさえすれば、すべて短歌といいうるか疑問である。その意味では、芸術は形 式はともかくその内容によっても、大きく規定されているといえよう。(1969/11/11)

日本抜きで-金があるだけでは歓迎されない
『円への警告』のなかで指摘するようにバブル経済の崩壊後、欧米の絵画のオークションの場から日本勢が退いたことに対し、オークション主催者側では、上客 を逃がしたという感覚よりも、ルール撹乱者がいなくなって、清々したという感覚のほうが強い。日本がルールを守る節度ある態度をとれる国として行動しない ならば、絵画オークションの場にとどまらず、国際市場そのものが、まったく同じ感覚をもちかねないのではないか。(1992/7/8)

ルールを無視しても頑張る企業体質

企業がルールを破らなければ存在(存続)できないのであれば、存続をギブアップするのが普通だろう。ところが、日本企業は「社員の首を切らない」と いう美名のもとに、ルールを破ったり無視したりしても、とにかく頑張ろうとする。その意味で、歯止めがきわめてかかりにくい体質を持っている。これが、個 人ベースでのカローシにもつながっている。その背後に法や人権を無視ないし軽視する思想(思想というに値しない考え方、あるいは思考の欠落)がある。 (1992/7)

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(1997/12/1追加)

あやつる
「あやつる」という言葉には人を誘い込む魅力がある。
対象は、人でも、人形でも、何でもいい、大概の人はあやつってみたいと思っているし、あやつることが好きだ。その伝でいけば、人が車を操縦することが好き な理由がよくわかる。数百キログラムの小型車から数十トンもある大型車、ハイテクやメカの塊のような車を自由自在にあやつれるのだ。この頃では、女友達、 女房一人あやつれない男にとって魅力なら、力の弱い女性にとってもめったに味わえない魅力をもっている。
権力者は、人をあやつる。庶民はせいぜい車をあやつって日頃、あやつられている憂さを晴らす。(1992/6/1)

 

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(1997/12/26追加)
index
訓読/『ゲーテとの対話』/ゲバントハウス弦楽四重奏団/『花咲くチェリー』//船乗り

訓読
末木文美土の『日本仏教史』によれば、日本の仏教の導入は、漢訳された経典をそのまま訓読する形で行われた。そのため、中国人が、原点から中国語へ翻訳す るために、長期間にわたって試行錯誤を繰り返したプロセスをまったく省くことになった。このことが、日本人が仏教をその文化の中に取り入れるうえで、真の 理解抜きの、表層的なものにとどまらせる要因となった。自国の言語の文脈の中に完全に置き換えられないかぎり、真に身についたものにはなりえない。 (1993/5/24)
 

ゲバントハウス弦楽四重奏団
いかにもオーソドックスな演奏でしみじみと胸に響いてくる美しい音色、年季のはいったアンサンブル。室内楽の良さを久しぶりにたっぷり味わった。K・ズス ケは、ポーランド時代にずいぶんとレコードを買ったことがある。今回は第一バイオリンを父親K・ズスケが弾き、第二バイオリンを息子が弾いた。顔つき、体 つきがそっくりで、息子のほうがやや大柄で精力盛んな感じ。父親のほうがちょっとしぼんだ感じ。両人とも眼鏡をかけ、頭がはげている。そのはげ方まで相似 形。息子のほうがほんの少し髪が多い程度で、親子の年齢差はない。息子はちょびひげをはやしている。(1993/1/12)

観劇『花咲くチェリー』
(地人会公演;紀伊国屋ホール)
北村和夫の熱演で身応えがあった。ロンドンの保険代理店のしがない平社員とその家族を中心として、その居間だけの単純な舞台設定の中で、夢を抱きながら、 現実生活に妥協して生き、それも中途半端にならざるをえず、家族には背かれ、挫折していく中年の男のあわれな姿が浮き彫りにされる。親と子、夫と妻とのコ ミュニケーションの難しさが、うまく劇化されていて、リアリティがある。
観る者には、主人公の生き方、けっして世渡り上手ではなく、すぐぶつかってしまう性格に、もどかしさを感じるものの、決して憎めない人間性を見て感情移入 するのである。妻役の川口敦子も淡々とした役づくりで、北村の熱演を巧みに支えている。(1997/2/5)
1997/12/26indexへ戻る
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エッカーマン『ゲーテとの対話』
エッカーマンの『ゲーテとの対話』(山下肇訳 岩波文庫。訳者の山下先生から恵贈されたもの)は、ゲーテが若いエッカーマンに知的生産、創作活動のノーハ ウをかみ砕いて教示する趣があり、私にとっても非常に有益である。最初は「大物をめざさず、まず身近のとりつきやすいものから始めよ」というアドバイス や、いったんモチーフを決めたら、「骨惜しみをしないで、とことんまで研究してから、それを描け」といったサゼスチョンに溢れており、実作者としてのゲー テを身近な人に感じることができる。さすがと思わせる洞察や暮らしぶりに接することができ、この本は実に楽しく読むことができる。(1993/6/2)


光りというものがあり、色彩がわれわれを取り巻いているが、われわれが自分自身の眼中に光と色彩を所有しているのでなければ、外界にある光と色彩も、認め ることはないだろうね。
エッカーマン『ゲーテとの対話』山下肇訳 岩波文庫p.123

船乗り
徐々にではあるが、彼(アレム)は、船乗りにとって一番大切な美徳は忍耐と健全なユーモアであり、それに、知性と辛抱の次には体力がものをいうことを理解 しだした。
『信じられない航海』p.80(1993/12/4)
1997/12/26indexへ戻る

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 (1998/3/19)
 index
『悪童日記』『アメリカン・タイム』『イギリスはおいしい』『カメラ』『ラ・アルカリアへの旅』
 
『悪童日記』クリストフ・アゴダ著 堀茂樹訳 早川書店 1991 第1刷

簡潔な文体、意表をつく展開。一気に読了。”常識”をあざ笑うかのような人物の設定(双子の男の子とそのおばあちゃん)。一見、悪と見える彼等の行 動の中に強い人間性の発露がある。置かれている立場の苦しさ、それを真正面から受け入れ、一歩も退かず、乗り切って行く精神力。感傷とは一切無縁な双子。 感傷に浸ることを許さない状況。
戦場となった東欧の小国の悲惨が浮かび上がる。
双子とおばあちゃんとの関係は、人間同士のコミュニケーションというものの奥の深さを示している。
戦争というもの、人間というものを考えさせる力がこめられた書。(1991/9/3)
(1991/12/25付記:朝日新聞書評欄の評者の一人が、今年のベストスリーの一冊として、同じ著者の『ふたりの証拠』ともども、選んでいる (1992/12/22朝刊))
 

ラ・アルカリアへの旅』カミロ・ホセ・セラ著 有本紀明訳 講談社 1991  第1刷

ゆっくりと歩いて旅をする。こういう旅をすれば、その土地がそのまま見える。人も、家畜も、景色も、土ぼこりも、匂いも。
東京の対極のようなのどかな時間の流れる1946年のスペインの片田舎。人々の日々の営みが、ゆったりとした文章の中に的確に捉えられていて、読む者の心 をさわやかにする。心が和む。
--そして野は、深い、鼻につんとくる、微かな、ほとんど刺すような臭いがする。(p.84)
--老人は何か育むような匂いがする、眠りにつくのに具合の良い、生暖かい、まろやかな匂いだ。(p.86)(1991/9/4)

アメリカン・タイム』ボブ・グリーン著 集英社

人間に関する深い関心、愛情がボブ・グリーンにはある。様々な人々、様々な生き方へいつも積極的にアプローチして、あざやかな語り口で、笑わせ、微 笑ませ、しんみりとさせ、涙ぐませる。話題がよく尽きないなと思うほど、毎回、興味ある人物を紹介する。23才のときから、コラムを担当して、50に近い 今日までずうっと続けてきたというから、驚く。(1991/12/25)

『イギリスはおいしい』林望著 平凡社 1991/3第1刷1992/2 第11刷

心の豊かさを感じさせる筆者の才筆に一気に最後まで読まされてしまった。
なかなかの「味わい」だ。言うべきことは言うシャキッとした文章の切れ味がいい。酒飲みや俗物的な女に対するタンカ(p.166、p.248)の小気味良 さ。良いものを良いと言える見識、人間へのあたたかなまなざしがある。次作(『イギリスは素敵だ』)への期待を膨らませる力を感じた。 (1992/2/20)
(1992/3/21付記:『イギリスは素敵だ』も一気に読了。著者の「運」の良さと、強運を引き寄せる生き方、考え方にも感心した。この本には、したた かな人物との交流の愉しさが溢れている。)
 

カメラ』ジャン=フィリップ・トーサン著 集英社

別に対したことでもない些事をたんたんと語るなかに、深い洞察をさりげなくちりばめた文章に、読み始めたが最後、知らず知らずのうちに最後のページ までつき合わさせられてしまう。不思議な魅力に満ちた本だ。
 

1998/3/19indexへ戻る

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(2004.7.12追加)
分かるということ

 われわれは、われわれがあることの芸術的な意味(たとえば「砂の女」の良さ)を分かるということを分かってくれない人に対して、分かって くれるように求 めても、分かって貰えないことが多いが、そうした分からない人についても、分かっていないということがどういうことであるかを分かることは難しく、つい軽 蔑してしまいがちである。(1979.6.26)


( 2005.3.16追加)

長生きと成熟は別
聴く耳と見る目
行間を読む
文章
書物
無名を恐れるな
ホームページ


長生きと成熟は別

「人は、長生きするだけで成熟するものではない。14歳のときの苦労話に感情移入して語る人の精神レベルは、往々にして14歳のときの精神レベルに 留まっている。」(20050308)


聴く耳と見る目

「音楽は聴く耳を持った人にしか聴こえない。絵は見る目を持った人にしか見えない。」(050314)

「私の部屋には10枚を越す絵を飾っているが、自分のほうから言及した人はほとんどいない。」(050315)


行間を読む

「字は読めても行間は読めない人が多い。字が読めるだけでは、文学は読めない。行間を読まなければならないからである。」(050314)

文章

「考えなくてもしゃべることはできるが、文章を書くことはできない。考えなしに書かれたのは文章ではなく、文字の羅列にすぎない。」 (050314)

書物

「一生のうちたとえ一冊でも世に問える書物を書けるか書けないかで、人生の質的充実度は大いに異なる。」(050314)

無名を恐れるな

「我々無名人には、無名であることを恐れない精神力が必要なのだ。しっかりと社会を支えているのは、そうした精神力を持った無名の我々なの であり、そうした人たちの層の厚さにその国の民度や、国力そのものがかかっているのだ。」(970808)

ホームページ

「他人のアクセスの絶えないホームページを開設することは、一冊の書物を書くことと並んで、人生の目標になりうる。」(050315)




 (1998/3/19掲載)

自分自身のための知 的生活のための覚書

 


 
目次

パート 1(1998/3/19掲載分)

パート 2(2004326日開始分)

リンク:補論ー記憶・知識・情報はマッピングで整理されるのか

 

 パート2

index

クラッター
学び
片言隻語も逃すな
疑問をメモせよ
問題意識を持て
アタッシュケースの中身 枕元 には大きめのメモ用紙 アイデアは「ノート」へ、 締め 切りを設けよ
まず取り掛かれ
まず着手せよ、始めよ 一 日にできることはわずか
メ モの多重安全装置を設けよ
ポストイットを活用せよ
アイデアを掛け合わせよ
メモはやさしくメモれ
大作は狙うな
能動的に生きよ



 
パート1 (1998/3/18 掲載分)
index
張 り切りすぎるな「愉 し み」の要素を加えよ他 人は他人と割り切るべしテー マは数多く読 むときはいつもメモの用意 を根気メ モ用の用具は扱やすいものを絶 えずめくれ用 具を切らすな文 章の三つのゴール



クラッター

文章の中の無駄な部分。これを取れるだけ取ることが「うまく書くこと」の要諦の一つ。

William Zinsser「On Writing Well

」(ちなみに後二つの要諦は、書く前に何を書くかを考えて書くこと、自分の考えをはっき り主張すること。

 

学び

さまざまな体験が、らせん階段のように私をささえて、その限界を少し超えさせてくれる。 すべては学びなのだ。

曽田粛子「子育ても科学も遊んじゃおう」(太郎次郎社版)への書評から(朝日新聞1988425

 

片言隻語、ちょっとしたひらめき、アイデアを逃 すな

世の中には無数の貴重な情報 が飛び交っている。それをキャッチするのはいかにすぐれたアンテナを自分が持っているかにかかっている。ア                       ンテナに引っかかるものは、即座にメモし、データ化せよ。

(19890406)

 

疑問をメモせよ

何か疑問が浮かんだら、その疑問をメモせよ。疑問はあなたを進歩させる。探究心の表れに 他ならないのだ。疑問を持っていると情報が集まってくる。疑問を解こうとするプロセスで、疑問を解く方法を学ぶーーこれが学習そのもの。(890406

 

問題意識を持て

常に問題意識を持て。アンテナを何本もかかげよ。(900204

 

アタッシュケースの中身

開けば、即座に知的生産が可能なような小型書斎的機能を持つものを持て。重装備は重たく するだけ。

 

枕元には大きめのメモ用紙をおけ

暗闇の中では小さい字は書きにくい。(910925

 

アイデアは「ノート」へ、情報は 「インフォメーション」へ

自分のアイデア、思いつきは「ノート」へ、伝聞、記事、ニュースなどの情報は「インフォ メーション」へ。この2分類で標準化したペーパーに書き込め。

911224

 

締め切りを設けよ

締め切りを設けることが成果を生む。(900204

まず取り掛かれ

結果を恐れて何もしないより絶対にまし

900204

まず着手せよ、始めよ

何事も、思い立ったらとにかく着手することだ。長続きするかどうかを考えて着手しないよ り、着手した方がよほどいい。長く続かなかったからといって後悔することはない。人生は色々やってみたことで、最後に濾し網で掬い取られたものの総体な のだ。何一つ無駄にはならないのだ。(021030

 

一日にできることはごくわ ずかだと肝に銘ずる必要あり

知的生産は一日にどれほどジタバタしても大したことはできないということをはっきり認識 することから始まるといってよい。どうしても継続的な積み上げがなければ、いかなる知的生産も不可能だからだ。(891018

これから大いに頑張ろう張り切っているあなたに水を差すようで恐縮だが、大いにマルチ型 の人間になり。積極的に生きていこうと思うなら、むしろ、ある種の諦念を持つことから始めなければならないということをまず心に銘じなければならない。

@     一日にできること はごくわずかであること、従って長続きしなければ、決してマルチ型生活への道を開けないということ。

A     日本ではまだまだ マルチ型の生き方は色んな制約がある少数派にならざるを得ない。それを乗り越えるだけの心構えが必要だ。百万人在るとも我行かんの心意気が必要なのだ。(900131

 

メモをするための多重安全 装置を持て

人間は忘れやすい。だから、メモのための多重安全装置が不可欠だ。

いいアイデアが浮かんだら(名文句でも、新しい発想でも、気に入った表現でも、詩の一節 でも何でもいい)その場主義でメモにする必要があるが、せっかくいいアイデアを思いつきながら、身の回りにメモ用紙や筆記用具がないため、切歯扼腕した経 験をあなたにもあるだろう。一つのメモ帳にだけ頼ってならない。筆記用具も幾つも背広のうちポケットに差すだけではなく、ノートにもアタッシュバッグにも 忍ばせておく。名刺入れにも小型のペンを入れておく。

メモ用にも

@     6穴のシステムノート(アタッシュケース)

A     システムダイヤ リーサイズ(背広のポケット)

B     5×3メモカード (名刺入れ)

C     ポストイット(大 中小)

これだけ安全装置を施せば、メモし損なうことはない。ただ、メモしたものをいかにうまく 知的生産に生かすか。そこがまた難しい。でも、一回メモしておけば頭が整理される。何らかの形で利用できる。(900131

ポストイットを活用せよ
アイデアの湧くところ(トイレ、枕もと、テニスコート)情報の取れそうなところ(新聞・雑誌・テレビを見るところ)に常置・常備せよ。もちろんメモ用紙で もいいが、ポストイットにエッセンスを書き込みそれを、メモ用紙に張り付けて、アイデアを詳しく展開することも可。(911224)

アイデアを掛け合わせよ

色んなアイデアがひらめいたらそのアイデア同士を掛け合わせて、更に気の利いたアイデア に仕上げていく努力を怠ってはならない。とにかくよく考えることだ。(900131

 

メモはやさしくメモれ

メモは、他人に、ズブの素人に読ませるつもりで書け。字もきれいに。後日の自分は全くの 別人、他人と同じだ。いい加減なメモでは、役に立たない。

920108

 

 

大作は狙うな

見よ「ゲーテとの対話上岩波文庫p.57―62

「差当たって大物は一切お預けにしておくことだね」(p.62

「小さな題材を扱うのが一番だよ」(同)

「私は既成の作品を対象とすることをお勧めしたい」(p.61)

「特に私がいましめたいのは、自分勝手に大きなものをでっちあげることだね」(同)

930602

 

能動的に生きよ

能動的に生きよ。reactよりactで。本を受動的に読むな。問題意識をもって読めば、思考が刺激されて新しい発想が湧いて くる。

911105

 

 

 

 

 

 


  パート1 (1998/3/18 掲載分)
index
張り切りすぎるな「愉し み」の要素を加えよ他人は他人と割り切るべしテーマは数多く読むときはいつもメモの用意 を根気メモ用の用具は扱やすいものを絶えずめくれ用具を切らすな文章の三つのゴール
 
 

張り切りすぎるな
知的生産は長期戦だ。一挙に目的地に着こう全速力で飛ばして見ても、すぐ息が切れてしまう。短期間に成果を出そうとして、あまり張り切り過ぎると長続きし ない。結局、長年にわたり、ゆっくりでも歩き続ける人にはかなわないことになる。張り切り過ぎると無理な計画を作りがちだが、これこそ禁物。
(91/12/24)

根気
知的生産の成果を生み出すのはなによりも根気。蓄積があってはじめて知的生産が可能となる。
 

「愉しみ」の要素を加えよ
長続きするためには、自分自身にとって愉しいものでなければならない。テーマの選定に当たって自分が真に関心を持つものに絞るべきだろう。いやいやながら では、結局長続きしない。
(1991/12/24)

他人は他人と割り切るべし
出世第一主義の人もいれば、遊び専一の人もいる。知的生産は報われることが少なく、苦しきことのみ多い選択である。しかし、コツコツやれば成果も生まれ る。出世して肩書きを手に入れても、そのこと自体があなたを満たすことはない。
(1991/12/24)

テーマは数多く
テーマは数多く用意し飽きたら別のテーマに切り替えよ。
飽きたのに無理をすれば、本当に飽きてしまう。テーマをあれこれ用意しておけば、取り替えることによって、新しい愉しみを見い出すことができる。しかし、 いずれにしても、うんざりしているときは休め。無理して続けようとする必要はない。休めば新たな意欲が芽生えてくる。
(1991/12/24)

読むときはいつもメモの用意を
記憶はかげろうよりも早く消え去る。頭脳の記憶容量には限界があり、余計なものを詰め込むと新しいものが入らなくなる。考えるためのスペースが足りなくな る。
チェスの専門家といえどもデタラメのチェスボードを覚えるには素人と同じ時間がかかるという。(参照:加護野『企業のパラダイム改革』)
(1989/4/6)
 

メモ用の用具は扱やすいものを
・書き込みやすいこと・携帯性がいいこと・散逸しにくいもの・後で整理しやすいもの・後で読みやすい用紙とペンを
せっかくメモをとってもそれがなくなりやすいものであったり、後で整理しにくいものであっては困る。また、常時手元におけ、すぐに引っぱり出せるものでな ければならず、書き込みやすいものでなければならない。後で消えたり、読みずらいものでも困る。
(1989/4/6)

絶えずめくれ
情報・アイデアは死蔵しては役にたたない。絶えず、めくって頭に刺激を与え、新たなアイデアを喚起し、また早速メモを取れ。
(1992/1/8)

用具を切らすな
メモ用紙、筆記用具、パソコン、携帯端末を絶えず、身の周りに置き、切らすな、けちるな。アイデアの起きそうなところにはメモ用紙をあらかじめ置いておけ (枕元、トイレ、居間など)。
(1992/1/8)

文章の三つのゴール
simplicity:明確さ
unity or clarity:論理的明晰性
humanity:自分の視点が確立した生き生きとしたスタイル
William Zinsser『On  Writing Well』より
(1993/2/1)

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